2004 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス応答性転写制御因子を利用した高環境耐性樹木の開発に関する研究
Project/Area Number |
16580126
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
楠城 時彦 独立行政法人森林総合研究所, 生物工学研究領域, 主任研究官 (50370284)
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Keywords | 環境ストレス / ERF / AP2ドメイン転写制御因子 / Expressed Sequence Tag(EST) / 完全長cDNA / ポプラ |
Research Abstract |
ERF/AP2ドメインタンパク質は,高等植物に特有の転写制御因子である。ERF/AP2ドメイン転写制御因子は,花の形態形成,植物ホルモンであるエチレンに対する応答あるいは乾燥・高塩濃度や低温等の環境ストレスに対する応答等に関与することが知られている。本研究では,ポプラ完全長cDNAライブラリーのEST解析から,ERF/AP2ドメイン転写制御因子ファミリーに属する遺伝子を単離して解析を行った。その結果,ポプラでもシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)やイネ等の草本モデル植物と同様にERF/AP2ドメイン転写制御因子遺伝子が多数保存されていた。中でも,DREB/CBFと呼ばれる環境ストレス応答・耐性に関与する転写制御因子サブファミリーに属する遺伝子は顕著なストレス誘導性を示した。一方本研究では,高環境耐性樹木の開発を目指し,シロイヌナズナのDREB1A遺伝子をカリフラワーモザイクウィルス由来の35Sプロモーター及びシロイヌナズナ由来のrd29Aプロモーターの下流につないだコンストラクトを作製し,ポプラ(セイヨウハコヤナギ:Populus nigra L.var.italica Koehne)への導入を試みた。ポプラの形質転換には,アグロバクテリウム法を採用し,花粉を媒介とした遺伝子拡散を防ぐためにセイヨウハコヤナギ雌株の新条を外植体として用いた。現在,形質転換体の作製及び組換えラインの確認作業を進めている。
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Research Products
(5 results)