2004 Fiscal Year Annual Research Report
反応性保護コロイドを用いた酢酸ビニル樹脂エマルジョンの開発とその反応性の解明
Project/Area Number |
16580130
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
山田 雅章 静岡大学, 農学部, 助手 (20293615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 弥明 静岡大学, 農学部, 教授 (10126790)
滝 欽二 静岡大学, 農学部, 教授 (00022252)
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Keywords | 非ホルムアルデヒド系接着剤 / 水系エマルジョン / 反応性PVA / イソシアネート化合物 / 動的粘弾性 / 木材接着 / 架橋 |
Research Abstract |
非ホルムアルデヒド系高耐水性水系エマルジョン接着剤の開発を目指して、反応性PVAを保護コロイドとした酢酸ビニル樹脂エマルジョンおよびアクリル樹脂エマルジョンを作製し、フイルム物性や木材接着性能について検討した。PVAとしては側鎖の一部にアセトアセチル(AA)基を導入したAA化PVAを用いた。本研究では主としてAA基の自己架橋や他官能基との反応の結果に生じる架橋密度の大小、架橋剤として使用するイソシアネート化合物めPVA水溶液中での分散性および木材接着性能について検討した。また、反応メカニズムを検討するために、変性量の異なるAA化PVA単独の水溶液中におけるイソシアネート化合物との反応についても若干検討した。 その結果、一般PVAや界面活性剤を乳化剤としたエマルジョンに比べて、AA化PVAを使用したエマルジョンの方が、イソシアネート化合物の反応およびPVAの自己架橋が生成されるため、フイルムの架橋密度が大きく向上することが明らかとなった。木材接着性能についても、一液型で用いた場合でもある程度の耐水木材接着性能が発現するが、イソシアネート化合物を添加した二液型で使用すると大きく耐水接着性能が向上することが明らかとなり、特にアクリルエマルジョンではAA化PVAの有する木材との親和性のため木材接着性能が大きく向上する結果となった。この理由として、AA化PVAは疎水基であるAA基が側鎖に導入されているため、油状成分であるイソシアネート化合物を水溶液中で効率よく分散でき、その結果イソシアネート化合物がPVAや水と効率良く反応し、架橋密度の増大やフイルム物性の向上に大きく寄与したためであることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)