2005 Fiscal Year Annual Research Report
反応性保護コロイドを用いた酢酸ビニル樹脂エマルジョンの開発とその反応性の解明
Project/Area Number |
16580130
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Research Institution | Shizuoka Univ. |
Principal Investigator |
山田 雅章 静岡大学, 農学部, 助手 (20293615)
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Keywords | 反応性PVA / PMDI / 動的粘弾性 / 木材接着 / 架橋 / 耐水性能 / 環境対応 |
Research Abstract |
側鎖にアセトアセチル(AA)基を有するAA化PVAを用い、水溶液中でのpMDIとの反応性、架橋の形成および木材接着性能などを一般PVAと比較しながら検討を行った結果、以下のことが明らかになった。 1)PVA水溶液中のイソシアネート基消費量の時間による変化をジブチルアミン-塩酸法により測定した。また、IR測定によるPVAフイルム中のNCO基消費の測定を行った。その結果、AA化PVAを用いた方が一般PVAよりもNCO基の消費速度が大きかった。AA基はOH基に比べてpMDIに対する反応性が優れていることがわかった。 2)硬化フイルムの動的粘弾性測定の結果、一般PVAよりもAAPVAの方がゴム状平坦部でのE'が高い値を示し、AA基はpMDIとの反応性が優れていることが示唆された。また、フイルムの養生処理の効果については、処理温度が高いほどE"ピーク温度が高温側にシフトし、特に120℃・2時間養生処理したAAPVAはE"ピーク温度のシフト量が他の条件より大きかった。 3)動的粘弾性のゴム状平坦部におけるE'値から算出した架橋密度はAA化度の高いPVAほど高い値を示した。 4)硬化フイルムの水溶出試験を行った結果、120℃・2時間硬化したAAPVAフイルムは水に対する溶解性が大きく低下した。 5)PVA水溶液を接着剤として使用した木材の接着性能はpMDIを添加すると向上した。また、120℃の加温養生を行うとAA化PVAでは特に耐水接着性能が向上した。 6)木材にPVAを含浸した試料の動的粘弾性測定の結果、PVAのガラス転移点が高温側にシフトするなど、木材とPVAとの相互作用が確認され、この相互作用はAA化PVAの方が一般PVAよりも大きかった。
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Research Products
(2 results)