2006 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマスの変換プロセスに適した木材糖化効率を高める白腐朽菌の分子育種
Project/Area Number |
16580133
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
本田 与一 京都大学, 生存圏研究所, 助教授 (70252517)
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Keywords | バイオマス変換 / 白色腐朽菌 / 遺伝子工学 / 形質転換 / 宿主ベクター系 / 担子菌 / きのこ / クローニング |
Research Abstract |
担子菌類(きのこの仲間)のリグニン分解能力を利用して木質バイオマスの変換利用の際に障害となる高分子リグニンを分解除去する系は、常温常圧で反応が進み環境へのインパクトが少ない点が特徴である。担子菌の中でも白色腐朽菌類は、一般に菌体外に分泌するラッカーゼやペルオキシダーゼによって初発される連鎖的ラジカル反応によって、高分子リグニンの低分子化を促し、これによって生成する多様な芳香族有機化合物を分解・資化するとされている。本研究では、研究代表者が自ら開発を行ったリグニン分解性担子菌Pleurotus ostreatus(ヒラタケ)への遺伝子導入システムを利用して、木材糖化能が高度に高められた「遺伝子組換え担子菌」を作製する目的で、これまでに高分子リグニンをも直接分解することが可能な多機能型のマンガンペルオキシダーゼを発現するための組換えmnp2遺伝子を形質転換導入して遺伝子組換え体を単離し、本菌において多機能型ペルオキシダーゼの高発現を確認し、続いて難分解性環境汚染物質であるベンゾaピレンの分解を行って、野生型の数倍の除去能を獲得していることを明らかにした。さらに野生型がMnP2を生産しない条件下でも、著量のMnP2を発現する条件を振蕩培養を用いた系で確立した。 本年度はこれまでの成果に立脚して、多機能型ペルオキシダーゼの部位特異的変異導入による構造機能相関解析を行い、本酵素の高分子酸化機構の解明を行った。 一方、担子菌類における遺伝子ターゲッティング系の開発を目指して、相同組換えの頻度に影響を与えるKu70遺伝子のクローニングを行い、ヒラタケから本遺伝子の全長配列およびcDNAをクローン化することに成功した。この結果は担子菌類から初めての、Ku70のクローニングを意味し、現在アンチセンス法およびRNAi法を用いた機能抑制を試みている。
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