2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16580144
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
飯郷 雅之 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (10232109)
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Keywords | 魚類 / 脳内光受容体 / オプシン / 季節繁殖 / 光周性 / 生物時計 / 光周時計 |
Research Abstract |
本研究においては,短日繁殖型で生殖腺発達の光周性が顕著なアユ,およびゲノムDNA配列を利用可能な長日繁殖型のメダカを用い,魚類の脳内光受容体を介した季節繁殖の制御機構を検討している. 1.アユにおける脳内光受容体の光周性への関与の確認 アユから既知の光受容器官である眼球と松果体を外科的に摘出し,長日条件から短日条件に移行した際に見られる生殖腺の発達の光周性におよぼす影響を調べた.その結果,眼球・松果体の両者がなくてもアユは短日条件に反応し,生殖腺の発達が誘導されることがわかった.これらの結果は,脳内光受容体が光周性発現に関与する光受容体であることを強く示唆している. 2.脳内光受容体cDNAのクローニングと局在,波長特異性の検討 アユ脳内で発現する光受容体としてロドプシンを同定した.現在,in situハイブリダイゼーションおよび免疫組織化学による局在同定を行っている. 3.時計遺伝子のcDNAクローニング Period,Cryptochrome,Clock,Bmalなどいくつかの時計遺伝子のcDNA部分塩基配列をアユにおいて決定した.また,メダカゲノムデータベースを活用して時計遺伝子をコードする領域を予測した. 4.Dio2遺伝子の機能解析 脊椎動物の光周性発現に重要な役割を果たしていると予測されるDio2遺伝子の機能を解析するために,アユDio2遺伝子のcDNAの部分塩基配列を決定した.現在,in situハイブリダイゼーションにより脳における発現部位の同定と長日条件下で飼育して成熟を抑制したアユと短日条件下で成熟を促進したアユにおけるDio2発現量の解析を行っている.
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