2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16580145
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
良永 知義 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20345185)
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Keywords | Cryptocaryon irritans / 海産白点虫 / In vitro culture / 培養 / 魚類培養細胞 / 寄生虫 / 繊毛虫 / 海産魚 |
Research Abstract |
魚類培養細胞層の上に細胞培養用培地を含んだ軟アガロースゲルを重層し、細胞層とゲル層の間に海産白点虫のセロント(感染幼虫)懸濁液を挿入するという培養系により、海産白点虫を成長させることに成功した。魚体に寄生した場合、十分に成長して宿主を離脱するまでに約3日間要するのに対し、開発した培養系では4-5日間を要した。培養系内で発達した虫体は魚体内のトロホント(寄生期虫体)に比べてやや小さく、長径では7割程度であった。 虫体は培養系内では約1割程度がシスト壁を形成しトモント(シスト期虫体)となるものの、ほとんどが最終的には破裂して死亡した。しかし、培養4あるいは5日目の虫体を海水中に移すことにより、80%の虫体をトモントに誘導することができた。また、得られたトモントの80%からセロントの遊出が観察された。 このように、宿主を用いることなく人工培養系でセロントからトロホント、トモントそしてセロントと、白点虫のIn vitro培養に世界で始めて成功した。 さらに、人工培養系で得たセロントを用いて魚体に対する感染実験を行ったところ、セロントの39%が宿主内で成長し、トモントとして回収された。この値は、魚体を用いて得られたセロントを用いた感染実験の場合の文献値40.4%とほぼ同じである。このことから、人工培養によっても感染力は維持されることが明らかである。 培養系をさらに改良するために、ゲル濃度、培養温度について最適化を行った。その結果。ゲル濃度0.25%、培養温度30℃で最も高い成長速度が得られた
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