2006 Fiscal Year Annual Research Report
海洋微生物を用いた環境有害物質のバイオレメディエーション
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16580150
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
濱田 奈保子 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 助手 (70323855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦野 直人 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (90262336)
今田 千秋 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (90183011)
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Keywords | リグニン / 糸状菌 / 耐塩性 / セルラーゼ / 環境浄化 / ラッカーゼ / 染料 / 海洋環境 |
Research Abstract |
(平成18年度に行った研究実績を記入) 昨年度までに,我々が海洋環境より単離したリグニン分解糸状菌Peslalotiopsis sp.SN-3が多種類の染料を脱色することを明らかにした.平成18年度は,本菌の海洋環境下での染料脱色を最終目標とし,本菌の毒性の有無を検討するとともに,染料脱色前後における毒性の変化をマウス試験によって評価することを目的とした。リグニン分解酵素産生培地(Kirk培地)で培養したSN-3菌の加熱死菌体及び生菌をそれぞれ雄マウス(std=ddY,9週齢)に強制単回経口投与し,急性毒性を評価した.また,脱色が確認された11種の染料を混合後,Kirk培地に添加し,SN-3菌による脱色前後のサンプルをそれぞれマウスに単回経口投与し,急性毒性を評価した結果,本菌自体の急性毒性は確認されなかった。各染料の脱色率をSanromanらの方法^<1)>により算出した結果,染料添加系における染料総濃度770及び7700ppmの脱色率はそれぞれ53.8%,52.1%であり,目視で明らかに脱色されるまでに至った.SN-3菌による脱色後のサンプルについて同様の試験を行った結果,急性毒性は確認されず,SN-3菌を用いた染料脱色系において急性毒性のある化合物は生成されないことが確認された.また,SN-3菌は塩存在下においても高いセルラーゼ活性を有し,セルロース系廃棄物を効率的に分解できることを明らかにした. 1)Sanroman et al.,Chemosphere 57,233-239(2004).
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Research Products
(5 results)