2006 Fiscal Year Annual Research Report
駿河湾に出現するソコダラ科浮遊仔魚の発育および生態に関する研究
Project/Area Number |
16580159
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
福井 篤 東海大学, 海洋学部, 教授 (90307249)
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Keywords | ソコダラ科 / 卵稚仔 / 駿河湾 / 初期生活史 |
Research Abstract |
平成18年度では,平成13年度以降と同様に,各月1回(2〜3日),東海大学所属の北斗(20トン)を用い,駿河湾内の定点で魚類プランクトン調査を実施した.採集層は表層,100→10m層,200→100m層,350→200m層,近底層(海底谷)である.表層では1.3×1.2mの角型ネットを水平曳きし,他の3層では口径1.3mのリングネットを斜め曳きした.ネットの網目の大きさは053mmである. 近底層の曳網方法は年々改良され,水深200-600mの海底上5mからの曳網が可能になっている.しかし,平成17年度末の報告書で述べたように,曳網中のネットの浮上が50-60mに達しており,問題点として挙げられていた.2006年度は,これを克服するために,特殊な潜行板と235kgのソリ型ウエイトを製作した.そして,曳網方法を工夫することによって,2007年1月調査からはほぼ浮上を抑えられるようになった.採集物には,ソコダラ科の大型浮遊稚魚はまだ含まれていないが,ニギス目セキトリイワシ科やハダカイワシ目ソトオリイワシ科などの従来の水柱調査では採集されにくい仔稚魚が出現するようになり,海底谷近底層の採集効率は著しく向上したと,言える. ソコダラ科卵とともに採集されるタチウオ科の不明卵をふ化させたところ,その前期仔魚の形態は海域で比較的多く採集されるタチモドキ仔魚の最小標本と一致し,タチモドキの卵内発生と後屈曲期仔魚までの発育が明らかになった. [研究成果の投稿状況] 平成18年度では,投稿した論文はないが,以下のヘリダラに関する論文がまもなく投稿される予定である. 1.Eggs and pelagic larvae of Coryphaenoides marginatus (Gadiformes : Macrouridae) collected from Suruga Bay, Japan
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