2006 Fiscal Year Annual Research Report
二枚貝類コラーゲンのサブユニット特異的低プロテアーゼ耐性の発現メカニズム
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16580170
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Research Institution | FUKUI PREFECTURAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
水田 尚志 福井県立大学, 生物資源学部, 准教授 (30254246)
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Keywords | コラーゲン / 二枚貝 / ホタテガイ / サブユニット / 塩酸グアニジン / ペプシン |
Research Abstract |
多くの二枚貝類についてコラーゲンをペプシン処理に供すると、特定のコラーゲンα鎖の相対的減少が起こるなど、顕著な電気泳動パターンの変化を生じる。つまり、当該α成分においてプロテアーゼ感受性の領域が存在する可能性があるが、本現象に関する知見はほとんどない。本研究は、ペプシン処理による構造変化の機序を解明するための基礎的情報を集積することを目的とする。一昨年度および昨年度の研究により、ホタテガイ外套膜より一次構造を保持したコラーゲン(塩酸グアニジン可溶性コラーゲン;GSC)を効率よく得るのに解繊溶液による前処理が比較的有効であることが分かった。今年度においては、ホタテガイ外套膜を試料として、GSCならびにペプシン可溶化コラーゲン(PSC)を加熱変性させ、カラム温度を42℃に維持した陽イオン交換クロマトグラフィーに供することによってこれらの性状解析を試みた。 GSCについて陽イオン交換クロマトグラフィーを行ったところ、吸着画分は2本のピークとして溶出したが、SDS-PAGEにおいて第1ピークは主に1本のα鎖(a鎖)を示し、第2ピークはa鎖よりもわずかに移動度の大きいα鎖(b鎖)とこれよりもさらに大きい移動度をもつα鎖(c鎖)を示した。これらの鎖をゲルより切り出しV-8プロテアーゼによるペプチドマッピングに供したところ、互いに異なるペプチドマップを示した。PSCについて同様の条件でクロマトグラフィーを行ったところ、GSCに比べ全体的に溶出位置が高塩濃度側にシフトしたが、吸着画分はやはり2本のピークを示し、第1ピークは1本の(f鎖)を、第2ピークはd鎖よりもわずかに移動度の大きい(g鎖)とこれよりもさらに移動度の大きいα鎖(h鎖)のバンドを示した。これらの鎖をゲルより切り出し上記と同様にペプチドマッピングに供したところ、これら鎖のペプチドマップは互いに異なり、それぞれa、b、c鎖のパターンに類似していた。これらの結果は、ホタテガイ外套膜のコラーゲンには少なくとも3種類のα鎖が含まれることを示すものである。これらのα鎖がどのようなコラーゲン分子を構成しているのかについて現在検討中である。
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