2004 Fiscal Year Annual Research Report
肉用牛精液確保・供給体制の変革と産地の新展開に関する実証的研究
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16580181
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
濱田 年騏 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (10032575)
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Keywords | 肉用牛産地 / 産地間競争 / 精液確保・供給体制 / 精液自給率 / (社)家畜改良事業団 / 優良種雄牛血統 / 牛肉自由化 / ブランド化戦略 |
Research Abstract |
1,本研究は、肉用牛産地の質的展開や産地間競争について精液確保・供給体制の整備・変革との関わりの視点から課題を設定する。そして、(1)精液確保・供給体制の整備・変革について各産地を整理・類型化するとともに、産地の質的展開。(2)精液確保・供給体制の整備・変革にともなう、個別経営や生産者組織の対応、産地戦略。(3)精液確保・供給形態別に見た産地展開と再編方策のあり方等について考察する。 2,主要産地(18道県)の実態調査を行い、(1)肉用牛(種雄牛、雌牛)改良、(2)精液自給率、(3)子牛の種雄牛別出荷頭数と価格、(4)雌牛の血統別分布・年齢構成、(5)肉用牛生産者組織や和牛改良組合の活動、(6)肉用牛産地振興策(地域支援システム、ブランド化戦略等)等に関する実態把握と資料を収集した。 3,現時点で得られた新知見は、(1)これまで必ずしも明らかでなかった全国的・産地別の精液確保・供給体制が明確になり、自給型、「(社)家畜改良事業団」依存型、併用型と各産地の産地展開が明確になった。(2)牛肉自由化以降、肉用牛改良スピードは著しく早まり、各産地の精液確保・供給体制の整備とレベルアップはより一層重要な課題となっている。(3)市場情報が全国化したこともあり、各産地とも資質に恵まれた特定の優良種雄牛血統(含めす牛)に集中・特化する傾向がみられる。(4)また、「自給ないし併用」型の中小産地の保有種雄牛は全国型の優良種雄牛血統・系統への平準化の傾向が見られる。(5)種雄牛造成能力は産地規模によりに大きな差が見られ、「自給ないし併用」型の中小産地は路線選択の岐路にある。(6)各産地は改良情報の習得、改良速度のアップ等から地域一貫の方向を強め、最終商品牛肉を巡る産地間競争(ブランド化戦略)を強めている。
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