2004 Fiscal Year Annual Research Report
施設園芸における培土のガス環境と植物根の機能に関する研究
Project/Area Number |
16580206
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉田 敏 九州大学, 生物環境調節センター, 助教授 (90191585)
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Keywords | 施設園芸 / 水耕栽培 / 培土 / ガス環境 / 酸素濃度 / 二酸化炭素濃度 / 根呼吸 / ガスクロマトグラフ |
Research Abstract |
植物の根に大きな影響を与えうる重要な環境要素のひとつである根(土)のガス環境について,近年多用されるようになった新たな園芸培土を用いて調べ,その条件の下での根の生理的機能を明らかにすることを目的として,培土中の気相における酸素および二酸化炭素の濃度を計測する方法について検討した.まず,ファイトトロン・ガラス室および人工照明グロースチャンバに園芸用人工培土の栽培ポットを設置し,これに酸素分圧計測用センサおよび二酸化炭素分圧計測用センサを挿入して連続計測を試みた.その結果,培土の気相中のガス分圧を反映した出力値を,数十時間にわたって連続して得ることができた.そこで,培土に作物を植栽し,実際の栽培条件下で同様の計測を行った.これにより,光照射による培土やセンサ表面の温度変動が計測に大きな影響を与えることがわかり,これらの外乱を回避する方法について検討を要することが明らかとなった.また,作物栽培時に培土の水分状態が変動しても,培土のガス分圧を反映した出力値を得られることがわかり,この実験により,潅水の頻度や培土の水分状態により根のガス環境が大きく異なることが示唆され,培土の種類別にその物性と水分状態およびガス環境との相互関係について精査を要することが明らかとなった.さらに,培土の気相にわずかに蓄積されるエチレンなどの微量ガスを分析するために,ガスクロマトグラフによる分析手法の構築を試みた.その結果,空気サンプル量1000μL程度を用いることでppmオーダーの定量を行うことが可能であること,および培土中のガス分析ではサンプル量を減らしたうえでこの検出感度を維持することが必要となることがわかった.これらの成果について,平成16年9月の農業環境工学関連4学会合同大会において研究発表し,関連研究者との情報交換を行った.
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Research Products
(3 results)