2005 Fiscal Year Annual Research Report
乾式および湿式輸送が切り花の流通過程での品質・鮮度に与える影響
Project/Area Number |
16580210
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
川上 昭太郎 東京農業大学, 地域環境科学部, 講師 (30256648)
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Keywords | 切り花 / 鮮度保持流通 / 品質・鮮度評価 / 非破壊計測 / 曲げ弾性係数 |
Research Abstract |
輸送形態の違いが切り花の品質・鮮度に与える影響を比較するため、ヒマワリ切り花を試料として、36時間の乾式輸送と湿式輸送モデルにより実験をした。 その結果、外観では、36時間の乾式輸送直後は葉にしおれがみられたが、水揚げ後は葉のしおれは回復した。乾式,湿式とも実験開始後7日目で花弁がしおれ観賞価値がなくなった。新鮮重は、36時間の乾式輸送後水揚げをしても初期の94%までしか回復しなかった。曲げ弾性係数による茎の硬さの測定を行ったが、乾式、湿式に違いは見られなかった。今回の測定の結果より、36時間程度の輸送時間であれば、輸送後の水揚げを行うことでその後の花持ちに大きな違いはよられなかった。 また、湿式輸送中の活け水に電解水を用いpHの違いによる除菌効果をバラ切り花によって比較した。活け水として塩化カリウム水を原水として強酸性電解水(pH2.7)と弱酸性電解水(pH5.6)および対照区として水道水を設定し、それぞれにブドウ糖1%を添加した。水道水区は実験開始後5日目にベントネックが見られ観賞価値が失われた。強酸性電解水区では、一般生菌の増殖はみられなかったが、茎の変色、葉のしおれがみられ新鮮重及び吸水量が減少した。弱酸性電解水区でも、一般生菌の増殖はみられず、しおれや変色など切り花の品質を低下させることもなく、殺菌剤としての効果が認められた。今回の測定結果より、弱酸性電解水は殺菌剤として有効と思われるがpHの値によっては外観等に障害が発生することがわかった。
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