2005 Fiscal Year Annual Research Report
ステレオ画像法による栽培果実の三次元位置計測に関する研究
Project/Area Number |
16580212
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
高橋 照夫 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (70003522)
|
Keywords | ステレオ視 / ステレオ画像法 / 左右合成像 / 視差 / 三次元計測 / 画像処理 / 果実収穫 / 自動計測 |
Research Abstract |
本研究における主な結果は以下の通りである. (1)ステレオセンサシステムとして,カメラヘッド部の上下左右の動作制御に各カメラに装備のパン・チルト機構を利用できるカメラ2台と,各カメラの制御及び画像処理用パソコンを主要部とするシステムを製作し,それらの動作と機能が本研究に適用可能なことを確認した.また,画像の解像度の影響を調べるため,より高精細画像の撮影が可能なカメラ2台を用いてもう一組のカメラヘッドとして使用できるようにした.試作ステレオシステムのカメラキャリブレーションは,本研究の測定原理に基づき0.5mから4mまでの距離断面上の定点を左右カメラで同時撮影する方法で行い,カメラ条件・画像処理条件と距離計測精度との関係を回帰分析により明らかにした. (2)本研究の独自手法である左右画像合成方式による三次元位置計測に関する実験は,リンゴ園内における収穫期の果実群を対象にして行った.品種はふじと王林で,撮影条件は,カメラのズームを4段階,解像度を2段階に設定し,晴天又は曇天の順光下で距離1.5〜4mの範囲内にありステレオ視野に入る50個以上(焦点距離7.1mmの場合)の果実群とした.なお,撮影位置から各果実までの距離はレーザ距離計による測定値を基準にした.各条件で撮影されたステレオ画像における果実像の三次元位置を測定した結果,距離測定誤差は,ふじと王林のいずれの場合もおおむね±2%以内に入ることが分かった.これは,筆者らの従来のアナログカメラを用いたステレオシステムの約2倍の測定精度であった.画像処理過程について,合成像の鮮明さ指標であるRGB濃度分散算出法の改善策を検討し,処理範囲と距離断面数を削減する方法でおおむね期待通りの結果が得られた.今後適用範囲を明らかにする必要がある. (3)注視距離範囲を予め与えて撮影画像処理を行うことにより物体検出と位置測定を同時に実現する本研究方式のステレオ画像計測法について,(1)の結果をもとにその簡便化を検討した結果,所要精度が20〜2%の範囲になるように視差設定と撮影・画像処理条件を組合せて一連の作業を行うことにより実用化の可能性があることが分かった.
|
Research Products
(1 results)