2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16580218
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
花田 正明 国立大学法人帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (70250537)
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Keywords | 放牧 / 乳牛 / 脂肪酸組成 |
Research Abstract |
1.放牧飼養時の乳中脂肪酸組成の特徴 粗飼料源として昼夜放牧させた泌乳牛と牧草サイレージ給与した泌乳牛の乳中脂肪酸組成を比較した結果、放牧飼養された乳牛の脂肪酸組成の特徴として共役リノール酸を含むC18系の脂肪酸組成の割合が高く、パルミチン酸(C16)の割合は少ないことが示された。これらは主として牧草サイレージに比べ放牧草のC18:3含量が高いなど、摂取飼料の脂肪酸組成の違いが乳中の脂肪酸組成に反映したものと考えられた。一方、C12以下の中鎖脂肪酸組成については、牧草サイレージ給与時に比べ放牧飼養時のほうが高くなる傾向がみられた。中鎖脂肪酸は各飼料とも含有量が低いことから、乳中の中鎖脂肪酸組成は飼料の脂肪酸組成以外の要因によって影響を受けているのではないかと考えられた。 2.併給飼料の違いが放牧飼養された乳牛の乳中脂肪酸組成に及ぼす影響 放牧飼養時では一般にエネルギー源としてトウモロコシが併給飼料として用いられるが、その代わりに地域副産物であるポテトパルプを給与し、乳中の脂肪酸組成に及ぼす影響について検討した。トウモロコシに比べポテトパルプの脂肪酸組成はC18系の割合が少なく、その結果、乳中の脂肪酸組成もポテトパルプを給与した乳牛のほうがC18系の脂肪酸割合が少なくなった。しかし、C16の割合はトウモロコシのほうが多いにも係わらず、乳脂肪酸中のC16の割合は、ポテトパルプを給与した乳牛で高い値を示した。また、中鎖脂肪酸の割合はトウモロコシ給与よりもポテトパルプ給与時で高い値を示した。 このように放牧飼養された乳牛の乳中脂肪酸組成の特徴として、C18系の脂肪酸割合が高いことが示唆され、その原因として牧草におけるC18系の脂肪酸含量の多さが考えられた。一方、C12以下の中鎖脂肪酸組成も飼養条件によって影響を受けることが示唆されたが、乳脂肪における中鎖脂肪酸組成には飼料の脂肪酸組成以外の要因が関与していることが伺われた。
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