2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16580225
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
前田 芳實 鹿児島大学, 農学部, 教授 (50041661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 新 鹿児島大学, 農学部, 教授 (70158814)
下桐 猛 鹿児島大学, 農学部, 助手 (40315403)
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Keywords | プリオン / アジア在来牛 / 多様性 |
Research Abstract |
プリオン遺伝子(PRNP)は、牛海綿状脳症(BSE)やスクレイピーなどのプリオン病に関わる遺伝子である。ヒトやヒツジでは、PRNPの遺伝変異が潜伏期の長さや発病の有無に影響することが知られているが、ウシPRNPの遺伝変異とプリオン病との関連性はほとんど示されていない。ところが、Sanderら(2004)は、ウシPRNPのプロモーター領域に23-bpのindel(挿入もしくは欠失)を発見し、その多型がドイツのウシ集団においてBSEの感受性と有意に関連することを報告した。そこで、本年度は23-bpのindelをアジア在来牛6集団340頭、和牛4品種211頭、近縁種であるミタン4頭において解析し、対立遺伝子の保有状況を調査した。得られた結果を以下に述べる。 ミタンを除くすべての集団で、23-bpのindelをもつ対立遺伝子(+)の頻度がもたない遺伝子(-)の頻度よりも低かった(Table1)。この傾向は、Sanderら(2004)やSeaburyら(2004)と一致した。解析した座位は、アジア在来牛6集団のうち口之島野生化牛を除く5集団、和牛4品種のうち日本短各種を除く3品種で多型的であった。また、ハーディーワインベルグ平衡から有意にずれた集団は見当たらなかった。ミタンにおいては、indelをもつ対立遺伝子(+)の頻度が高い傾向を示し、興味深い結果が得られた。
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Research Products
(4 results)