2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16580230
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
舟橋 弘晃 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (50284089)
|
Keywords | 体外受精 / 豚 / 多精子受精 / 共培養 / カフェイン / 酸化ストレス |
Research Abstract |
初年度にあたり2つのテーマに絞って研究を実施した。 A.瞬時共培養体外受精システムにおける共培養条件の詳細な検討 瞬時共培養時におけるカフェインの影響を調べた結果、共培養時の存在は精子侵入率の向上に有効であるが、その後の培養時に存在すると多精子受精卵率が増加した。また、アデノシンの存在下で精子を前培養した後に瞬時共培養に供すると、共培養時のカフェインの存否に関係なく多精子受精卵率が改善された。以上の結果は既に英国のReproduction誌に公表された。 また、共培養時およびその後の受精培養時の酸化ストレスが受精に及ぼす影響について調べた。beta-mercaptoethanol(BME)の影響を調べた結果、共培養中にBMEが存在すると精子侵入率が低下するが、その後の受精培養中の存在は卵子の表層粒反応の程度を改善し、単精子受精卵率を増大した。この成果を1月の国際受精卵移植学会で公表し、下記の受精能獲得誘起に関するテーマの成果の一部とともに国際誌に投稿中である。 さらに、精子の卵子への接着効果に影響する物質の検索として、プロテアーゼ・インヒビターに着目して研究したところ、プロテアーゼ・インヒビターの存在下で短時間前培養した卵子に精子を授精すると単精子受精率が高まった。これらの結果は、下記の受精能獲得誘起に関するテーマの成果の一部とともに3月末の日本畜産学会で発表する。 B.瞬時共培養後の効率的な精子受精能獲得誘起手法の確立 精子受精能獲得誘起手法の検討を行い、BMEの存在は精子の受精能獲得および先体反応を阻害するが、過酸化水素の添加は逆にそれらの反応を促進することを明らかにした。 また、プロテアーゼ・インヒビターの存在下で精子は受精能獲得や先体反応に何等影響を受けないが、卵子透明帯への接合に結合する精子の数が減少することを明らかにした。
|
Research Products
(1 results)