2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16580230
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
舟橋 弘晃 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (50284089)
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Keywords | 豚 / 体外受精 / 多精子受精 / カフェイン / 酸化ストレス / 受精能獲得 / 先体反応 |
Research Abstract |
最終年度にあたり以下の研究を実施した。 A.瞬時共培養体外受精システムにおける共培養条件の詳細な検討 共培養時およびその後の受精培養時の酸化ストレスが受精に及ぼす影響について調べるために、それぞれの培地にbeta-mercaptoethanol(BME)を添加してその影響を調べた。その結果、共培養中にBMEが存在すると精子の受精能獲得・先体反応を阻害し、精子侵入率が低下されるが、その後の受精培地中での存在は卵子の表層粒反応の程度を改善し、単精子受精卵率を増大した。さらに瞬時共培養後の受精培地および初期発生培地にBMEを添加することで、卵子自体の表層顆粒反応や体外受精後に発生した胚盤胞の細胞数を改善することを明らかにし、その成果を英国のReproduction誌から公表した。 B.酸化ストレス軽減による精子受精能獲得誘起阻止現象を利用した精子の液状保存法の確立 還元剤の存在が精子の受精能獲得・先体反応の誘起を阻止する現象を明らかにしたことから、還元剤を豚精子の液状保存に利用できないかと試みた結果、保存液中にシステインを添加することで豚精子の10℃での液状保存中の生存率や受精能未獲得状態の維持に有効であることを見出し、液状保存開始後2週間を越えても体外受精系で受精卵が得られることを明らかにした。その成果をTheriogenology誌から公表した。 C.瞬時共培養システムに供する卵子の体外成熟システムの開発 瞬時共培養に用いる卵子の体外成熟システムの構築を目指して、ロスコビチンによる処理で採取した卵母細胞を48時間培養保存後に体外成熟・瞬時共培養を行っても、保存培養していない対照区と大差なく成熟し、受精することが可能であることを見出した。しかし、体外発生に差があり、今後更なる研究開発が必要である。以上の成果をAnimal Reproduction Science誌に投稿し、まもなく公表される予定である。
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Research Products
(4 results)