2005 Fiscal Year Annual Research Report
ウシ胎盤性プロラクチン関連タンパク質の標的細胞の同定と生理作用の解明
Project/Area Number |
16580235
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
高橋 透 独立行政法人農業生物資源研究所, 発生分化研究グループ, チーム長 (20355738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋爪 一善 岩手大学, 農学部, 教授 (10355737)
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Keywords | ウシ / 胎盤 / プロラクチン / コラーゲン / 7Sドメイン / IV型 / プロラクチン関連タンパク質 / NC1ドメイン |
Research Abstract |
研究の概要:本年度は、昨年度明らかにしたPRP-IとIV型コラーゲンの相互作用のメカニズムを解明する事を目的として、結合様式の解析とコラーゲンの結合部位の同定をおこなった。 PRP-IとIV型コラーゲンの結合は用量依存的であったが、結合量に与える影響は、反応系に添加されたPRP-Iよりも、固相に吸着させたIV型コラーゲンの方が大きかった。PRP-IとIV型コラーゲンの結合は、イオン強度に比例して結合が増大した。この事から結合には疎水性の分子間相互作用が関与していることが伺われた。IV型コラーゲンを構成するNC1、トリプルヘリカル、7Sの各ドメインを調製して、これらとPRP-Iとの結合を調べたところ、PRP-Iは7Sドメインに結合した。さらに、PRP-IとIV型コラーゲンの結合は、反応系に7Sドメインを添加する事によって拮抗された。 以上の成績から、PRP-IとIV型コラーゲンの相互作用には、IV型コラーゲンN末端側の7Sドメインが関与している事が示唆された。これらの成績から、PRP-Iは胎盤の栄養膜細胞で産生された後に、近傍の細胞外マトリックスに捕捉される事が示唆され、マトリックス改変とともに遊離して作用を発現する事が伺われた。PRP-Iのこのような性質は、作用部域と作用時期を特定し、作用局所濃度を維持する意味があるものと推察され、着床と胎盤形成が子宮内の限局された部域でのみ行われる反芻類の胎盤形成に重要な役割を果たしているものと思われた。
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Research Products
(3 results)