2004 Fiscal Year Annual Research Report
進化的に保存された新規な蛋白質PSPが乳腺上皮の分化増殖と脂肪酸輸送に果たす役割
Project/Area Number |
16580241
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
松元 光春 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (30157383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 達三 鹿児島大学, 農学部, 教授 (50116795)
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Keywords | PSP / 乳腺上皮細胞 / 分化増殖 / VEGF / マウス |
Research Abstract |
PSPが乳腺上皮細胞の分化増殖、乳脂肪の合成および毛細血管の新生機序に対して如何なる機能を果たしているのかを明らかにすることを目的として、以下の成績が得られた。 1、妊娠、泌乳、離乳といった生殖周期におけるPSPの発現動態を免疫組織化学的に検索したところ、処女期から妊娠中期までは乳腺上皮の核に弱く発現し、妊娠末期から泌乳期には核と細胞質、特に脂質小滴周囲に強く発現し、離乳期では一部の核が強く発現した。このことからPSPが乳腺上皮細胞の増殖と分化に密接に関与していることが示唆された。 2、生殖周期におけるPSPの細胞内局在を免疫電顕により検索したところ、核内、小胞体膜および脂質小滴周囲にシグナルが観察された。特に妊娠末期から泌乳期には様々な大きさの脂質小滴周囲にシグナルが見られることから、乳汁合成に伴ってPSPが脂肪酸と結合し細胞内輸送に関わっていることが示唆された。 3、生殖周期におけるPSPとVEGFおよびアポトーシスとの関連について、免疫組織化学的に検討したところ、VEGFは乳腺上皮細胞の細胞質と血管内皮細胞に陽性が見られ、特に妊娠末期の腺胞細胞とその周囲の血管に強い発現が見られたが、PSPとの関連性については明らかにできなかった。また、アポトーシスは生殖周期間に有意な差が見られず、PSPとの関連性は認められなかった。 4、乳腺の生後発達におけるPSPの発現動態を免疫組織化学的に検討したところ、20日齢で乳腺上皮細胞の核に弱い陽性反応がみられ、これ以降90日齢まで斬増する傾向が見られた。
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Research Products
(2 results)