2004 Fiscal Year Annual Research Report
オペラント行動を利用したヒヨコの視覚神経回路の意味づけ
Project/Area Number |
16580249
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
内藤 順平 帝京科学大学, 理工学部, 教授 (30048467)
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Keywords | 鳥類 / 視覚特性 / 行動 / ヒヨコ |
Research Abstract |
【目的】鳥類は哺乳類より遥かに優れた視覚能力をもっていることは一般的に知られているが、その視覚メカニズムはよく分かっているとは言えない。16年度は主にヒヨコが生得的に持つ啄み行動を利用して、その視覚特性を調べることを目的に実験を行った。【方法】ヒヨコを一定の恒常環境が作れる特殊な観察箱に置き、この実験のために作製された視覚パターン提示ソフトを用いてヒヨコの足下に色々な人工的および自然な背景の中に様々な形、色、大きさの図形を提示して、単位時間(3分)内での啄み回数をカウントし、ヒヨコの啄み反応の違いを調べた。【結果】1)ヒヨコは直径1〜9mmの黒円(背景色は灰)に対して、径2mmの黒円に最も強い反応示し、直径が増すにつれ、反応は鈍くなった。2)色に対する反応は青、黒、赤、濃灰、緑の順で反応は弱まった。3)背景色が黒で円が灰または白の場合はよく反応するが、しかし背景色が白で円が黒の場合の反応はよくなかった。他の色の場合も同様で反応は弱い。4)背景が自然物のチップ(飼育に用いた床敷き)の場合は円が灰色よりも黒の方がより良く反応し、背景が地面(土)の場合は円が青、黒、灰の順序で反応は悪くなった。灰色の背景に対する濃淡の反応は白っぽい円よりも黒っぽい円により反応を示し、真っ白な円には全く反応を示さなかった。今後、この視覚特性、さらにオペラント行動のデーターを基にヒヨコに視覚機能に影響する様々な処置を施し、ヒヨコの視覚メカニズムを明かにしていく。
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