2006 Fiscal Year Annual Research Report
オペラント行動を利用したヒヨコの視覚神経回路の意味づけ
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16580249
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
内藤 順平 帝京科学大学, 理工学部, 教授 (30048467)
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Keywords | トリ / ヒヨコ / 視覚 / 色覚 / 視覚弁別 / 中枢投射 / 網膜神経節細胞 / 樹状突起層分岐 |
Research Abstract |
1)前年に続き、ヒヨコに黄、緑、赤、青のエサを二色組み合わせで提示し、どのような色選択をするかをより詳しく調べた。前年に示した黄、緑、青、赤のような直線的な選択性は弱く、むしろ、組み合わせた色により、選択性が異なることが分かった。即ち、(1)黄色は赤に対して非常に強い選択性を示すが、青、緑に対しては弱かった。(2)赤は最も低い選択性であった。(3)緑は青、赤、黄のすべてに対しやや強い選択性を示した。(3)についてはヒヨコには緑油滴が多いため、緑のバンドパス効果が考えられる。 2)オペラント行動を利用して、ヒヨコの視覚弁別機能を調べた。報酬(エサ)に結びついたペダル(正解)と軽い電気ショックに結びついたペダル(不正解)のそれぞれに直径の異なる黒円を付け、報酬に結びついてペダノレを踏ませる様に学習させた。不正解ペダルの黒円の直径を正解ペダルの黒円(8mm)に近づけていった。その結果、正解黒円との差が25%以下になると弁別試行回数が約30%増加した。これは予想以上に視覚弁別が悪く、ヒヨコは注視する能力は低いことが示唆された。 3)ヒヨコの網膜節細胞(RGCs)は6種類区別されるが(Naito & Chen,2004)、各グループの中枢投射割合を蛍光軸索トレーサー法により調べた。Group Icは視蓋に優位に、Group IIsとIIIsは視床に優位に投射し、Group IVcは視蓋に独占的に、Group IsとIIcは両者にほぼ同等に投射した。RGCの樹状突起の3次元的解析から、樹状突起の層分岐は内網状層の最も内側の2層(7,8層)に最も多く、次いで中間の内層(5,6層)がやや弱く分岐した。外層(1-4層)には弱く分岐した。視蓋と視床に投射するRGCのおよそ85%以上は互いに層分岐パターンは同じで、わずか15%以下が異なる層分岐パターンを示した。
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Research Products
(1 results)