2004 Fiscal Year Annual Research Report
FIV感染による免疫不全時の慢性炎症をラクトフェリンは改善するか
Project/Area Number |
16580261
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
佐藤 れえ子 岩手大学, 農学部, 助教授 (80142892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 善久 岩手大学, 農学部, 教授 (40003785)
安田 準 岩手大学, 農学部, 教授 (20142705)
稲波 修 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (10193559)
寺口 進 森永乳業栄養科学研究所, 基礎科学研究室, 室長
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Keywords | ラクトフェリン / ネコ免疫不全ウイルス(FIV) / 免疫不全 / 慢性炎症 / ネコ / リンパ球幼若化能 / インターフェロンγ / サイトカイン |
Research Abstract |
1.LFの経口投与がFIV感染ネコのリンパ球機能に与える影響(in vivo) 健康ネコと各ステージのFIV感染ネコの末梢血リンパ球の幼若化能に及ぼす影響を検索した.すなわち、ウシLFを各群の供試ネコに7日間連続経口投与して、投与前後の末梢血リンパ球機能をConA刺激下でMTT法にて測定した.その結果、感染ネコならびに健康ネコの両方で投与後リンパ球幼若化能の低下が観察された. 2.末梢血分離リンパ球へのLF添加培養が幼若化能に及ぼす影響(in vitro) 各群のネコから分離した末梢血リンパ球にLFを添加培養して、その幼若化に及ぼす影響を把握し、in vivoの結果と比較した.その結果、感染ネコと健康ネコの両方で末梢血分離単核球に対するウシLF添加培養は、経口投与の場合と同様にその幼若化能を抑制することが明らかとなった. 3.LFの経口投与がFIV感染ネコのリンパ球サイトカイン産生に及ぼす影響(in vivo) ウシLF経口投与を実施して、投与前後の末梢血リンパ球の各種炎症性サイトカインならびにインターフェロンmRNA転写に及ぼす影響をPCRで検討した.すなわち、健康ネコならびにFIV感染ネコの末梢血単核球をConAで刺激し経時的に観察したところ、培養4時間でIFN-γの強い発現が見られた.一方、IL-1β,TNF-α,IL-12p40はConAによる発現誘導はみられなかった.ConA刺激30分前にbLFを添加したところ、ConA誘導IFN-γの発現のみが著しく減少した. 以上の結果から、ウシLFはFIV感染ネコの末梢血リンパ球の増殖とサイトカイン産生に対し抑制的に作用していることが明らかとなった.したがって、ウシLF投与による慢性炎症の改善効果には、好中球だけでなくこのようなリンパ球機能に対するLFの調整効果が深く関連していると考えられた.
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Research Products
(2 results)