2005 Fiscal Year Annual Research Report
飼養規模の小さい日本型の畜産にあう牛の発情同期化プログラムの開発
Project/Area Number |
16580263
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
上村 俊一 宮崎大学, 農学部, 教授 (90233949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜名 克己 鹿児島大学, 農学部, 教授 (30011977)
高木 光博 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (40271746)
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Keywords | 黒毛和種 / ホルスタイン乳牛 / 発情同期化 / オブシンク処置 / プレシンク処置 / CIDR / 定時人工授精 |
Research Abstract |
牛群の妊娠率向上のためには、排卵時間を予想した適期の人工授精が必要である。その際、スタンディングの観察では高い精度で排卵を予想できるが、発現時間が短く、見逃す恐れがある。発情同期化処置は、牛群の発情と排卵を短期間に集中することにより、繁殖管理業務の省力化や発情発見率と受胎率の向上が可能となる。今回、今回、黒毛和種や乳牛に対する発情同期化処置として、オブシンク開始前のプレシンク処置が発情同期化やその後の繁殖成績に及ぼす影響を検討した。 黒毛和種牛に対するオブシンク開始前のプレシンク処置の影響を検討した。牛を2群に分け、プレシンク群(n=18)は性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)投与と7日後にプロスタグランジンF_<2α>(PGF_<2α>)投与、その12日後にオブシンク処置(GnRH-PGF_<2a>-GnRH)を行い、16-20時間後に定時人工授精を行った。対照群(n=20)は、プレシンク処置時に生理食塩液を投与し、その後オブシンク処置を行った。オブシンク処置のGrRHとPGF_<2a>投与時に黄体のある同期化牛は、プレシンク群77.8%、対照群50.0%であった。一方、非同期化牛の10/14頭はオブシンクのPGF_<2α>投与時に黄体があった。受胎率はプレシンク群61.1%、対照群70.0%とともに高く、両群間に差がなかった。 分娩後の乳牛に対し、30日でフレッシュチェックを行い、生殖器の修復を確認し、その2週後にプロジェステロン製剤(PRID)による発情同期化処置を行った。30頭の乳牛のうち、初診時に黄体の存在するものは18頭であり、子宮は半数が修復途中であった。PRID挿入時、GnRHを投与し卵巣をリセットするとともに、9日後に除去しPGF_<2a>を投与した。その結果、3日以内に7割が発情を示し、全頭に定時授精を行った。12頭が初回AIで受胎し、残りの牛も発情周期が回帰し、2回目のAIが実施できた。 分娩後、GnRH、CIDR、PRID並びにPGF_<2a>処置は牛群の繁殖成績の向上に有用であった。
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Research Products
(6 results)