2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16580273
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
相崎 守弘 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (20109911)
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Keywords | 宮島沼 / 伊豆沼 / 東京港野鳥公園 / 片野鴨池 / 米子水鳥公園 / 水鳥 / 水質保全 / 富栄養化 |
Research Abstract |
水鳥が多く飛来する池沼において水質悪化が懸念されているが、詳細な調査は行われていない。そこで、水鳥と水質の関係を明らかにすべく、水鳥が多く飛来する日本の各地の池沼の水質調査を行った。調査地は宮島沼、伊豆沼、東京港野鳥公園東淡水湖、片野鴨池、米子市水鳥公園の5つの池沼とした。採水は2004年7月から2週間に1度の頻度で行った。現地において水温・pHを測定し、持ち帰った試水についてSS, Chl-a、栄養塩濃度、COD, DOCを測定した。また、同時に水鳥の飛来数をカウントし、種別に換算係数を乗じ、「水鳥の総入り込み体重を算出した。 北海道に位置する宮島沼では、藻類量を表す指標であるChl-aの値が夏季には20〜50μg/l程度で維持されていたが、水鳥の飛来とともに上昇し、入り込み体重が最も増加した10月中旬には800μg/lを超える高い状態となった。その後本州へ飛去するとともに低下した。宮城県にある伊豆沼給仕池では夏から秋にかけて100〜200μg/lと過栄養の状態であった。東京港野鳥公園の東淡水池でも夏季に700μg/lを超える高い藻類現存量が測定されたが、水鳥が飛来した10月以降は低下してきた。石川県にある片野鴨池では夏季から秋季にかけてに20〜55μg/lのChl-a濃度が観測された。米子水鳥公園では夏季から秋季にかけて10〜40μg/lと比較的低い値を維持した。 以上の結果から、水鳥が多く飛来する池沼の水質特性として、1)夏季に栄養塩レベルが低く藻類現存量があまり高くならない池沼(片野鴨池、米子水鳥公園)、2)夏季に著しく富栄養化が進行し、藻類現存量が高くなる池沼(東京湾野鳥公園、伊豆沼給仕池)、3)水鳥の飛来に伴い水質が悪化する池沼(宮島沼)の3つのタイプがあることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)