2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16580274
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
今野 晴義 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (10108178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 進 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (60033122)
積木 久明 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (60033255)
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Keywords | イスノキ / ゴール形成機構 / イスノキカルス細胞 / βガラクトシダーゼ / 酵素学的諸性質 |
Research Abstract |
イスノキ健全葉、ゴール組織、カルス細胞を、リン酸緩衝液中で破砕した後、緩衝液可溶性画分と細胞残渣に分別した。さらに、細胞残渣を3M塩化リチウムに懸濁し、塩可溶性画分と沈澱(細胞壁)画分に分別した。 健全葉、ゴール組織、カルス細胞の細胞壁からペクチンとヘミセルロースを抽出し、DEAEカラムクロマトグラフィーにて精製した結果、いずれも5種の画分に分画された。健全葉、ゴール組織、カルス細胞のペクチンはほとんど同じ溶出パターンを示したが、ゴール組織とカルス細胞のヘミセルロースは、健全葉と比較して、0.125M NaClと0.25M NaClで溶出される画分が著しく減少し、それらの画分の構成糖組成を分析した結果、アラビノキシランであることが明らかになった。また、ゴール組織とカルス細胞からの同画分は、バイオゲルA-5mカラムクロマトグラフィーにおいて、健全葉と比較して、分子量が低分子化し、250kDaの多糖成分の著しい減少が認められた。 一方、カルス細胞の緩衝液可溶性タンパク質画分に含まれるβ-ガラクトシダーゼをCM-セファロース、セファクリルS-200HR、DEAE-セファロース、調製用電気泳動によって、二種の酵素(β-Gal-Iとβ-Gal-II)として精製し、各々の酵素学的諸性質を検討した。その結果、β-Gal-Iとβ-Gal-IIの分子量は70kDaと36kDa、等電点はpH6.8とpH5.0、km値は3.13mMと1.18mM、最適pHはpH4.2〜4.8とpH3.0〜3.4、pH安定性はpH4.6〜5.8とpH5.8〜7.0、最適温度はともに55℃であった。また、両酵素とも強い温度安定性を示し、活性はガラクトノ-1,5-ラクトン、p-クロロメルクリ安息香酸、水銀などによって強く阻害された。カルス細胞からのβ-ガラクトシダーゼ活性はカルス細胞の培養過程で変動し、生育に伴って増加することが明らかになった。
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