2004 Fiscal Year Annual Research Report
担子菌におけるレトロトランスポゾンを利用した高効率形質転換系の開発
Project/Area Number |
16580278
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宍戸 和夫 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (40087549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 丘 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (70301174)
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Keywords | 担子菌 / LTR型レトロトランスポゾン / 同方向繰返し配列 / TATAボックス / プロモーター活性 / 形質転換系 / 染色体挿入型ベクター |
Research Abstract |
担子菌特有の生命現象を理解し、植物資源リサイクル・環境保全に有用な担子菌株を作出するためには、担子菌染色体へ目的遺伝子を効率的に導入し、高発現させるシステムが必要である。そこで、形質転換効率の低いシイタケを宿主とし、シイタケのLTR型レトロトランスポゾンをDNA素材とする高効率形質転換系の開発を計画した。本年度の研究において以下の研究成果を得た。以前、シイタケから、シトクロムP450ファミリーのほぼヘム結合ドメインだけを含む低分子量(115アミノ酸)タンパク質SHP1(small heme-binding protein 1)をコードする遺伝子shp1を分離していたが、shp1上流の塩基配列を解析したところ、LTR型レトロトランスポゾンの3'-LTR(約400bp)およびポリメラーゼ遺伝子(pol)内のインテグラーゼ遺伝子(int)をコードする配列が存在した。これら配列をもとにプライマーを設計しPCRを行った結果、約4.5kbpの断片が増幅された。本断片の全塩基配列を解析したところ、予想通り、LTR型レトロトランスポゾンであることが分かりLe.RTn1と命名した。pol領域内の逆転写酵素遺伝子(rt),RNase H遺伝子(rh),およびint遺伝子において各種生物由来のLTR型レトロトランスポゾンのそれらと高い相同性が、gag遺伝子において中程度の相同性が観察された。3'-LTR(および5'-LTR)内には14(15)および30bpの同方向繰返し配列が161bp離れて存在し、そこにTATA配列が2つ存在した。shp1転写産物がシイタケ細胞内に多量かつ安定に存在し、その転写開始点が3'-LTR内にあると推定された。このことはLTRが強いプロモーター活性を有することを示す。さらにLTR配列がシイタケ染色体上に500個以上存在していることが分かった。
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Research Products
(1 results)