2005 Fiscal Year Annual Research Report
超安定化酵素の創製-その極立った構造可逆性のメカニズム
Project/Area Number |
16580280
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
徳永 正雄 鹿児島大学, 農学部, 教授 (20112782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 松二郎 鹿児島大学, 農学部, 助手 (20305163)
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Keywords | 好塩菌 / 蛋白質 / 高次構造形成 / 可溶性 |
Research Abstract |
「極限環境微生物」である好塩菌の研究から、好塩菌が生産する酵素(好塩性酵素)は塩に強いことはもちろん、その他の変性作用に対して極めて高い安定性を有していることを発見し、そのメカニズムについて研究している。平成17年度は、当初計画どおり中度好塩菌由来酵素の主に熱安定性に注目して実験を進めた。 中度好塩菌由来nucleoside diphosphate kinase(593NDK)と、これにもっとも相同性が高い通常細菌Pseudomonas由来のNDKであるPaNDKとの比較検討を行った。 まず至適反応温度、熱安定性について検討し、至適反応温度はPaNDKのほうが高く、熱安定性は593NDKのほうが高いという逆転した結果を得た。この結果より、593NDKは高温でいったん変性してもその変性条件が取り除かれれば速やかに巻き戻り、高次構造を再形成し活性化すると解釈できた。これは、昇温CD分析の結果でも支持された。 次に、熱変性に対する構造可逆性と塩濃度の関係を検討した。593NDKの構造可逆性は、塩濃度の上昇とともに失われた。85C、5分の熱処理に対し、1M NaCl存在下において可逆性は60%程度に減少し、12M NaCl以上ではほぼ完全に不可逆的となった。PaNDKはいずれの塩濃度においても不可逆的であった。 この塩依存性の相違のメカニズムを調べるために、593NDKとPaNDKのキメラ分子を作製し、その発現を試みた。593NDK, PaNDK,それぞれ分子の真ん中からN-末端側がPaNDKから成るPa/593 chimera, N-末端側が593NDKから成る593/Pa chimeraの計4種類のNDK分子の大腸菌における発現に成功した。また、その熱安定性について検討した。
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Research Products
(1 results)