2004 Fiscal Year Annual Research Report
フーリエ変換イオンサイクロトロン質量分析法による植物メタボロミクスの基盤整備
Project/Area Number |
16580281
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
太田 大策 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (10305659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 重雄 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助手 (10280067)
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Keywords | P450 / メタボロミクス / 質量分析 / FT-MS / 多変量解析 |
Research Abstract |
植物物質生産機能に関与する遺伝子の中で最も多様性に富むのが,シトクロムP450(P450)遺伝子ファミリーである.P450が関与する代謝機能を同定することを目的としてFT-ICR-質量分析,GC-MS,LC-MSの組合せによる代謝産物の質量分析を基礎として研究を行った.まず,植物代謝産物分析のためのFT-ICR-質量分析条件最適化を行い,データ処理プログラミングと多変量解析法を確立した. 続いて,上述の質量分析実験をP450遺伝子機能解析に適用した.すなわち,シロイヌナズナの2番染色体に座乗する4種のP450遺伝子(At2g34500,At2g34490,At2g28850,At2g28860)に着目した.アミノ酸配列の比較から,これらのP450遺伝子は酵母のステロールC-22側鎖不飽和化酵素の機能ホモログと予測した.半定量的PCRではAt2g34500とAt2g34490は葉,花,鞘で,At2g28850とAt2g28860は葉で特異的に発現が見られた.酵母YPH499株のステロールC-22側鎖不飽和化酵素欠損株を作成し,At2g34500で形質転換した後で膜ステロール成分を分析したところ,シロイヌナズナAt2g34500遺伝子では,本酵素活性は相補することができないことがわかった.次に昆虫細胞発現系において作製したAt2g34500組換え融合タンパク質を,β-sitosterolを基質としたP450反応系に供試したが,C-22側鎖不飽和化活性は確認できなかった.今後はこれらのP450遺伝子を過剰発現させた植物体と培養細胞を用いて生理基質を同定する計画である.
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Research Products
(1 results)