2005 Fiscal Year Annual Research Report
効率の良いヘパラン硫酸/へパリンの生産には生合成酵素の正しい局在化と集積化が必要
Project/Area Number |
16580283
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
相川 順一 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 先任研究員 (10260192)
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Keywords | heparan sulfate / heparin / N-deacetylase / N-sulfotransferase / localization / active site |
Research Abstract |
本研究は、培養細胞の系を利用してヘパラン硫酸/ヘパリンの生合成酵素の細胞内におけ集積化に関する基礎的知見の収得を目指し、生合成酵素の一つ脱N-アセチル化酵素/N-硫酸転移酵素を材料に、1)N末部位を利用した細胞内局在化機構、2)酵素ドメイン同士の相互作用の解明を目的とする。 本年度は、まず、培養細胞からのヘパラン硫酸/ヘパリンの構造解析法を確立した。すなわち、昨年度に購入したHPLCポンプを取り入れたシステムでの解析を可能にするため、ヒト293細胞からのヘパラン硫酸/ヘパリンの二糖画分の調製法の検討を行った。現時点までに最適化された方法を用いて、NDST各アイソザイムが強制発現できるようなヒト293細胞を材料として解析を行った。その結果、NDST1,2,4の強制発現により、N-硫酸化された二糖の割合が増加し、N-硫酸化の昂進が観測される一方で、NDST3では変化が見られなかった。この結果は、in vitroにおける酵素活性の結果と良く相関していた。以上の結果は、以下の実験の比較対象として、活用できる。次に、確立した解析系を用いて、NDSTのN末部分のアイソザイム間でのシャッフリングとそれらのヘパラン硫酸構造形成に対する影響を解析するために、各NDSTアイソザイムの細胞質領域からステム領域に相当するN末部分を、異なるNDSTアイソザイムの酵素活性領域に連結したDNAを細胞に導入し、目的の融合蛋白を発現するような細胞を樹立した。今後上記系を用いた構造解析を行う。また、NDSTのN末部分の過剰発現によるそれらのヘパラン硫酸構造形成に対する影響を解析するために、NDSTのN末部分のうち、細胞質領域のみを細胞質で発現するようなDNAを構築した。今後、目的の蛋白を発現するような細胞を樹立し、上記系を用いた構造解析を行う。
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