2004 Fiscal Year Annual Research Report
抗腫瘍活性アセトゲニン類の系統的不斉合成法の開発と高活性物質の探索
Project/Area Number |
16590006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前崎 直容 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (00229296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 徹明 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (40116059)
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Keywords | アノナセオウスアセトゲニン / 不斉合成 / 抗腫瘍性天然物 / 不斉アルキニル化 / 反復合成法 / 立体分岐型合成法 / 系統的合成 / バンレイシ科植物 |
Research Abstract |
アセトゲニン類はバンレイシ科植物から産出される天然物群であり,ヒトがん細胞に対して強力な選択毒性を示すことから新規抗がん剤のリード化合物として注目されている.我々は代表的なアセトゲニン類の基本骨格合成法を確立し,作用機構の解明,新規高活性誘導体の探索,構造決定などに貢献したいと考え,研究を展開してきた. 今年度は,THF環セグメントの合成サイクルを完了するためのtermination stepを確立するとともに,1990年にCortesらによりannona muricataの種子より単離され,ヒトの肺がん,大腸腺がん,腎臓がん細胞にアドリアマイシンの10^6倍という強力な活性を有するmurisolinの最初の全合成を達成することができた.以下にその成果をまとめる. 1)Tetrmination Stepの確立 既に確立した手法により立体選択的に合成したα-テトラヒドロフラニックアルデヒドに対する不斉アルキニル化の検討を行った.アルキンとしては将来薗頭反応によりγ-ラクトン部と結合することを念頭において,アルキン部を炭素鎖の両端に持ち,入手容易な1,6-ヘプタジインを用いた.工程数削減のため,片方のアルキンを保護することなく不斉アルキニル化を行うという先例のない方法で行ったところ,高収率・高立体選択的に反応が進行することを見出した. 2)mono-THFアセトゲニン,Murisolin及びその類縁体の不斉全合成 薗頭反応のためのヨードオレフィン部をもつγ-ラクトンセグメントは,α-スルフェニル-α,β-不飽和γ-ラクトンとα-オキシトリフラートのカップリングにより合成することができた.これを計画どおり薗頭反応でTHF環セグメントと連結し,murisolinの不斉全合成に成功した.以上のようにmono-THFアセトゲニン類縁体合成の方法論を確立することができた.
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Research Products
(2 results)