2005 Fiscal Year Annual Research Report
抗腫瘍活性アセトゲニン類の系統的不斉合成法の開発と高活性物質の探索
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16590006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前崎 直容 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (00229296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 徹明 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (40116059)
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Keywords | アノナセオウスアセトゲニン / 不斉合成 / 抗腫瘍活性天然物 / 不斉アルキニル化 / 反復合成法 / 立体分岐型合成法 / 系統的合成 / バンレイシ科植物 |
Research Abstract |
昨年度確立できたmono-THFアセトゲニン,murisolinの不斉合成法を応用して,我々の系統的合成法の利点を生かし,その類縁体の合成と生物活性評価を行った.また,bis-THFアセトゲニンの代表例として,longimicin Dの不斉全合成研究を実施した. 1)Murisolin類縁体の合成 Murisolinの合成法に準じて,16,19-cis-murisolinの合成を行った.THF環部は,独自に開発したTHF環部の系統的合成法により,高い光学純度で合成することができた.これを,1,6-ヘプタジインをリンカーとしてγ-ラクトン部と連結させることにより,2種類の16,19-cis-murisolinを高い光学純度で合成することができた. これらのmurisolin類縁体と先に合成したmurisolinについて,ヒトがん細胞パネル評価とCOMPARE分析を依頼し,39種のヒトがん細胞に対してフィンガープリントの収集,並びに,類縁体間や既存薬とのCOMPARE分析により作用機作の比較を行った. 2)Longimicin DのTHF環セグメントの合成 膵がん細胞に対して強い細胞毒性を示すlongimicin Dの不斉全合成を行った.不斉点の集中するbis-THF環部を系統的合成法により,高い光学純度で合成することができた. 3)Longimicin Dのγ-ラクトンセグメントの合成と両セグメントの連結 THF環部とγ-ラクトン環を結ぶリンカーとして適するものを検討した結果,(3R)-10-(benzyloxy)-3-(methoxymethoxy)dec-1-yneが最適であることを明らかにし,不斉アルキニル化とアルキル化によって3つのセグメントを連結することで,longimicin Dの初めての不斉全合成に成功した.
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Research Products
(3 results)