2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590011
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
東屋 功 徳島文理大学, 香川薬学部, 教授 (50276755)
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Keywords | 不斉結晶化 / スルホンアミド / 自然分晶 / X線結晶構造解析 / 結晶構造 / 立体化学 |
Research Abstract |
1)不斉結晶化したベンゼンスルホンアニリドが不斉リガンドとして機能するかどうかについて、カルコンを基質とし、銅トリフラート触媒存在下、ジエチル亜鉛によるエチル基の付加反応をモデル反応として検証を行った。しかし、有意な不斉誘導は見られなかった。そこでスルホンアミドをリガンドとしたより低温で進行する反応を調べると共に、不斉結晶化を示す他のスルホンアミドの探索を行った。合成の原料として、ラセミ化の速度が遅くなり、また金属との配位能が高くなるようo-位にエーテル基などを持つ置換ベンゼンスルホニルクロリドおよび置換アニリンを原料とし、40種のスルホンアミドを合成した。その結果、5種の化合物が新規に不斉結晶化を示す化合物として得られた。現在、これらが不斉リガンドとして機能するかどうかの検討を行っている。 2)上記項目と平行して、より短時間で不斉結晶化を示す化合物の探索を行うことができるプロトコルの改良を行った。塩基として樹脂担持ピリジンを用いて縮合反応を行い、反応後ろ過により樹脂を取り除き、ろ液を撹拌下乾固させた後、生じた微結晶を少量とってKBr錠剤として固体CDスペクトル測定を行うことにより目的の化合物の迅速な探索が可能となっている。実際、12種類の組み合わせについて本操作を行ったところ、4化合物において分裂型のコットン効果がみられ、不斉結晶化していることを見出した。本項目について、現在投稿論文を作成している。 3)結晶化の際不斉が誘起される条件について、円偏光の照射下、結晶のキラリティーに偏りがでるどうか検討を行った。これについては現時点では有意な差は得られていない。しかし、考え得る様々な条件について、統計的に有意な偏りを示し得るだけの数の固体CDスペクトルを測定することは個人では難しい。この点については、上記の不斉結晶化を示す化合物の効率的な探索法の開発に加え、さらに効率的なCDスペクトル測定用KBr錠剤の成型法を開発中である。
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