2004 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチドミメティクス合成を指向したフルオロオレフィンの合成開発とその応用
Project/Area Number |
16590014
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
岡田 みどり 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (20147391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 梓 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10338965)
中村 裕子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00161216)
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Keywords | ペプチドイソスター / フルオロオレフィン / Overmann転位反応 / SN2'型アルキル化反応 / アルキルアルミニウム-銅(I) / アリルジルコニウム種 |
Research Abstract |
本研究は、ジペプチドの加水分解抵抗性イソスターの合成を指向した、(Z)-フルオロオレフィンの立体選択的合成についての研究である。4位にジフルオロ基、5位に水酸基、2位にオレフィン構造を有するアルコールやエステルを基質として、アルキルアルミニウム-銅(I)試薬との反応によりフッ素の脱離とともに2位のアルキル化が進行した(Z)-フルオロオレフィンが高収率、高syn選択的に生成することをすでに見出している。5位の水酸基をアジド化し、アミノ基に変換することにも成功したが、本法では2位と5位の相対配置が天然の立体配置と異なるペプチドイソスターが生成することになるため、さらに他の反応経路の開発を行った。4,4-ジフルオロ-3-ヒドロキシ-5-ヘキセノール誘導体に本反応を適用したところ、S_N2'型アルキル基導入反応が極めて高いZ選択性で進行して、末端にアルキル基が導入された4-フルオロ-3-ヒドロキシ-4-アルケニルアルコール誘導体が高収率で生成した。3位の水酸基のアリル転位を伴ったアリルアミンへの変換を検討したところ、Overmann転位によりZ選択的および完全な不斉転写で5位アミノ化が進行することを見出した。一方、同じ基質を用いてメシラート経由のアジド化をone potで行うと、アリル転位を伴った5位へのアミノ化反応が3位に比べてかなり優先することが分かった。アジド化の立体化学は水酸基の立体反転を伴うことから、Overmann転位が立体保持であることと相補的な関係となり、ジペプチドイソスター合成法の開発を前進させることができた。 また、γ,γ-ジアルコキシアリルジルコニウム種とプロパルギルホスフェート類との反応について検討を行い、Cu(I)塩の添加によりジルコニウム種のα位を反応点としたカップリング反応が良好な収率で進行する事を明らかとした。今後この反応のイミンへの適用について検討する。
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Research Products
(1 results)