2005 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチドミメティクス合成を指向したフルオロオレフィンの合成開発とその応用
Project/Area Number |
16590014
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
岡田 みどり 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (20147391)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 梓 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10338965)
中村 裕子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00161216)
|
Keywords | 含フッ素化合物 / フルオロオレフィン / ペプチドイソスター / 有機銅試薬 / ペプスタチン / ジルコニウム / 有機合成化学 |
Research Abstract |
ジフルオロアルケン化合物と銅(I)試薬との反応により、フッ素の脱離とともにS_N2'型アルキル基導入反応が進行して、高立体選択的にペプチドミミックなフルオロオレフィンが生成する事をすでに見出している。今年度は、 1.本方法の生理活性ペプチドアナログ合成への応用を検討した。 (1)HIV-protease inhibitorとしても注目されているpepstatinの部分構造であるSta-Alaの、Z-フルオロオレフィンペプチドイソスターの合成を検討した。γ,γ-ジフルオローα,β-エノエート誘導体のジメチル銅リチウムによる還元的脱フッ素化と、つづくハロゲン化アルキルによる2位アルキル基導入反応によりジアステレオ混合物ながら目的物を合成し、異性体分離を経てSta-Alaのアナログと2位エピマーを得た。 (2)抗腫瘍作用を有するジペプチド構造のベスタチンのフルオロオレフィンイソスターの合成を検討した。D-フェニルアラニンから鍵中間体を合成して本反応を行ったが、収率と立体選択性の両面で満足のいく結果が得られなかったことから、別ルートの合成法の検討を開始した。 2.光学活性なジフルオロホモアリルアルコール誘導体の脱フッ素アリル置換反応と、続く完全な不斉転写を伴ったOverman転位反応により、光学活性含フッ素ジペプチドイソスターの合成に成功した。 3.γ,γ-ジアルコキシアリルジルコニウム種1とイミンとの反応について検討を行なった。添加剤として一価の銅塩を用いると、1のγ位で1,2-付加したジエトキシホモアリルアミンが生成する事を既に見いだしており、種々の基質への適用の拡大を検討した。さらに生成物のアセタール部位をトリフルオロ酢酸で脱保護することによりα,β-不飽和カルボニル基を有するアミン誘導体を高収率で得られることを明らかにした。 これらの結果は、学術雑誌に投稿し、国内外の学会でも発表した。
|
Research Products
(5 results)