2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規制がん剤のデザインを指向したRA系抗腫瘍性ペプチドの活性発現構造因子の解明
Project/Area Number |
16590015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
一柳 幸生 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (80218726)
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Keywords | シクロイソジチロシン / RA-VII / RA-XVII / 茜草根 / Rubia cordifolia / NMR / 配座解析 / 細胞毒性 |
Research Abstract |
N-メチルシクロイソジチロシンの合成 市販の3-ヨード-L-チロシンをN-メチル化,メチルエステル化した後ホウ酸誘導体に変換した.これにBoc-L-チロシンと結合させて得られるジペプチドを4-ジメチルアミノピリジン,酢酸銅にて処理したところ,アミノ酸の異性化を伴うことなくジフェニルエーテル結合が形成され,N-メチルシクロイソジチロシンを得ることができた.本化合物はRA-VIIの準メチル基が配座構造におよぼす影響を解明するために必要なアナログである[des-N-methyl-Tyr-5]RA-VIIの重要合成中間体となる。 グリシン置換RA-VIIアナログの合成 RA-VIIのアラニン残基1,2,および4をそれぞれグリシンで置き換えた[Gly-1]RA-VII,[Gly-2]RA-VII,[Gly-4]RA-VIIの合成を行い,NMRスペクトルによる配座解析およびP388マウス白血病細胞を用いた細胞毒性試験を行った.その結果,残基1のメチル基は配座異性体の構造と存在比に影響せず,残基2のメチル基は安定な配座構造の維持に重要であり,残基4のメチル基は活性配座異性体の存在比を高めるために重要であることがわかった. 植物(Rubia cordifolia)からの新規RA類縁体の単離 茜草根(Rubia cordifoliaの根)をメタノール抽出して得られるエキスを各種クロマトグラフィーにて分離したところ微量新規類縁体RA-XVIIが得られ,化学合成によりその構造を証明した.併せて[D-2-aminobutyric acid-1]RA-VII,[D-norvaline-1]RA-VIIを合成しNMRスペクトルによる配座解析およびP388マウス白血病細胞を用いた細胞毒性試験を行い,RA-VIIの残基1側鎖を伸長しても配座構造に影響しないが,長くなるに従い細胞毒性は減弱することがわかった.
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Research Products
(3 results)