2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規制がん剤のデザインを指向したRA系抗腫瘍性ペプチドの活性発現構造因子の解明
Project/Area Number |
16590015
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
一柳 幸生 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (80218726)
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Keywords | RA-III / RA-VII / RA-XVIII / bouvardin / deoxybouvardin / Rubia cordifolia / 細胞毒性 / N,N-ジメチルシクロイソジチロシン |
Research Abstract |
残基2に芳香族アミノ酸を有するRAアナログの合成 RA-IIIをO-アセチル化後チオアミドに変換し、酢酸水銀処理してオキサゾール中間体を得た。酸触媒存在下、芳香環を導入し、部分加水分解により残基2側鎖に芳香環を有するRAアナログを得た。 アカネ(Rubia cordifolia)より新規RA類縁体RA-XVIIIの単離と合成法の確立 アカネ(Rubia cordifolia)の根よりメタノールエキスを調製し、各種クロマトグラフィーを用いて分離したところ、新規類縁体としてRA-XVIIIが得られた。MS、NMRスペクトルの解析により、RA-VIIのTyr-6残基のε位が水酸基化された構造であることが明らかとなった。本化合物は微量成分であるが、植物中に比較的多く存在するdeoxybouvardinより化学変換により誘導する方法を開発した。本化合物はRA-VIIより弱い細胞毒性(P-388)を示した。 N,N-ジメチルシクロイソジチロシンの合成 市販の3-ヨード-L-チロシンをN-Boc化、メチルエーテル化、メチルエステル化した後、ホウ酸誘導体に変換した。脱Boc化後、Cbz-L-チロシンよりオキサゾリジノンを経て合成されるN-メチル-Cbz-L-チロシンを結合させてジペプチドを得た。これを4-ジメチルアミノピリジン,酢酸銅にて処理したところ,ジフェニルエーテル結合が形成され,N末側がN-メチル化されたN-メチルシクロイソジチロシンを得ることができた.このものを相間移動触媒存在下、ヨウ化メチルと水酸化ナトリウムにて処理したところ、アミノ酸の異性化を伴うことなくペプチド結合のN-メチル化が進行し、N,N-ジメチルシクロイソジチロシンが収率良く得られた。本化合物はRA類およびbouvardin類の全合成や、これらのアナログ合成における重要鍵中間体となるものである。
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