2004 Fiscal Year Annual Research Report
対面型ポルフィリン2量体による不斉空間の構築とその合成化学への応用
Project/Area Number |
16590020
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
須田 晃治 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (00087785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高波 利克 明治薬科大学, 薬学部, 助教授 (40241111)
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Keywords | ポルフィリン二量体 / 有機亜鉛反応剤 / 非対称ポルフィリン二量体 / ルイス酸触媒 / エポキシド / 位置・立体選択的転位反応 / Claisen転位反応 / シアノポルフィリン |
Research Abstract |
本研究は、二つのポルフィリン環を持つ分子の新機能、特に合成化学的に有用な触媒機能の開発を目的として行うものであり、本年度は以下の新知見を得た。 (1)meso位にハロゲンを持つポルフィリンと末端にエステル基を持つ有機亜鉛反応剤とをパラジウム触媒を用いてカップリングさせることにより、官能基を持っポルフィリンの新合成法を開発した。この官能基化されたポルフィリンを用いて、非対称型ポルフィリン二量体を含む新規なポルフィリン二量体の簡便合成法を明らかにした。 (2)上述で得たポルフィリン二量体に不斉アミンまたは不斉アルコールを作用させることにより形成される超分子化合物が分散型の円二色性スペクトルを示すことを見出し、本ポルフィリン二量体が不斉分子の絶対構造決定の有力なツールとして利用できる可能性を明らかにした。 (3)ポルフィリン二量体の触媒機能を開発するためには、ベースとなる単量体のポルフィリンの触媒機能を明らかにする必要がある。本年度は、ポルフィリンの様々な触媒機能の中で、合成化学的に応用範囲が広いと考えられるルイス酸触媒機能について検討した。その結果、クロムを中心金属として持つCr(tpp)OTfがエポキシドのアルデヒドへの位置・立体選択的転位反応のルイス酸触媒として優れた特性を示すことを明らかにした。また、軸配位子を換えたCr(tpp)Clをルイス酸触媒として用いることにより、脂肪族アリルビニルエーテルのZ体選択的Claisen転位反応の触媒化を初めて達成した。 (4)meso位にハロゲンを持っポルフィリンにPd(0)触媒存在下、有機亜鉛反応剤BrZnCH_2CH_2CNを作用させると、予想とは異なり、meso位にシアノ基を持つポルフィリンが收率良く得られることを見出し、この反応がポルフィリン二量体の合成素子として有用と考えられるシアノポルフィリンの一般合成法として利用できることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)