2004 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー治療薬ガランタミンの効率的不斉全合成研究
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16590022
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
野出 學 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (60027076)
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Keywords | アルツハイマー病治療薬 / ガランタミン / コリンエステラーゼ阻害活性 / ヒガンバナ科植物 / 遠隔位不斉誘導 / フェノールカップリング / Michael付加 / phenyliodine(iii)bis(trifluoroacetate) |
Research Abstract |
近年、急速な社会の高齢化に伴い、優れたアルツハイマー病治療薬の開発に期待が高まっている。中でもシャイヤー社がイギリスで発売を始めたガランタミンは強力なコリンエステラーゼ阻害活性を示し、本邦でも一昨年から治験が始められている薬である。現在、ガランタミンの多くはヒガンバナ科植物から抽出されているが、その含量は約0.01%と低く、世界的な安定供給に間に合わせるために工業的合成法の確立が急がれる。 そこで、私たちは、不斉源として安価な光学活性アミノ酸(D-フェニルアラニン)を組み込んだ不斉全合成を計画した。本計画は、遠隔位不斉誘導によるフェノールカップリングとMicheal付加を合成戦略とする新規な不斉合成法を鍵反応として利用している。具体的には、D-フェニルアラニンとチラミンとから調製したペプチドと3,5-dibenzyloxy-4-methoxy-benzaldehydeとを酸性条件下、アミノアセタール化反応で縮合させ、続いて生成するイミダゾリジノンの二級アミノ基を保護した後、phenyliodine(III)bis(trifluoroacetate)(PIFA)を酸化剤とするフェノールカップリング反応にかけた。得られたカップリング生成物の2つのベンジル基を脱保護すると位置および面選択的なMichael付加が進行し、ガランタミンの基本骨格が構築できた。最後に不斉源の除去、イミンの還元、N-メチル化により、(-)-ガランタミンの全合成に成功した。現在、ガランタミン骨格の構築段階であるMichael付加が可逆的であることに注目し、光学活性アミン(chinchonine, chinchonidine)を用いた不斉晶出についても、検討中である。
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Research Products
(1 results)