2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590027
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
勝 孝 岡山大学, 薬学部, 助教授 (40112156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水島 徹 熊本大学, 薬学部, 教授 (00264060)
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Keywords | イオン選択性電極 / 分子認識化学 / 分子レセプター / カリックス[6]アレーン誘導体 / 有機アンモニウムイオン / メラシクロファン誘導体 / 非ステロイド系抗炎症薬 / 膜透過 |
Research Abstract |
今年度は、高性能イオン電極を作製する上で最も重要となるイオノフォアの開発を中心に研究を進めた。イオノフォアの開発は、これまで無機イオンを中心に進められてきたが、本研究では有機イオンを認識するいわゆる「分子レセプター」と称するイオノフォアの開発に焦点をあてた。分子レセプターのなかでは、フルカ社(スイス)からアミンイオノフォアIという名前で市販されているカリックス[6]アレーンーヘキサ酢酸ヘキサエチルエステルが代表例である。今回の研究では、このカリックス[6]アレーン誘導体のベンゼン環のパラ位の部分を様々なアルキル基で置換したものを合成し、有機アンモニウムイオン及び無機イオンに対するイオン選択性を系統的に比較検討した。アミンイオノフォアIは有機アンモニウムイオンのなかでは、ヘキシルアンモニウムあるいはフェネチルアンモニウムに強く応答したが、無機イオン、特にセシウムイオンからの妨害が大きかった。ベンゼン環のパラ位をメチル基で置換した誘導体では、メチルアンモニウムに対する応答性が増大した。そして、置換基をより嵩高くするにつれ、無機イオンからの妨害も抑えられ、よりサイズの小さな有機アンモニウムイオン(メチルアンモニウムあるいはエチルアンモニウム)に強く応答した。特にオクチル基で置換した誘導体ではメチノアンモニウムに対して、これまで最高の認識能をもつイオン電極となった。 さらに、本研究では、カリックスアレーンと類似の構造をもつメタシクロファン誘導体についてのイオノフォア作用も系統的に検討した。その結果、誘導体の一つが、優れたカリウムイオン認識能をもっことを見出した。 その他、電極法の応用研究として、非ステロイド系抗炎症薬の細胞膜カリウムイオン透過性に及ぼす影響をカリウムイオン電極を用いて現在検討している。
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Research Products
(3 results)