2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590027
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
勝 孝 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40112156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水島 徹 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (00264060)
増田 和文 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00243486)
駒越 圭子 岡山大学, 薬学部, 技術専門職員 (50437563)
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Keywords | イオン選択性電極 / 分子認識化学 / 有機リン化合物 / メキシレチン定量 / リポソーム / カルセイン / 膜透過性変化 / ポルフィリン |
Research Abstract |
今年度は、抗不整脈薬メキシレチンに応答する高性能イオン電極をホスホリル(P=O)基をもつ有機リン化合物を利用して開発することを試みた。P=O基の酸素原子は負に分極しており、メキシレチンがもつNH_3^+基との間で強い相互作用が期待された。P=O基に結合する置換基の効果を系統的に検討した結果、より多くのアルコキシ基が電子放出性のアルキル基に置換され、塩基性度が増大した化合物ほどメキシレチンに対する選択性は向上した。しかし、プロトンからの妨害を強く受け、使用できるpH範囲が限定された。さらに、分子内にイオウが存在するS,S,S-トリチオリン酸トリス(2-エチルヘキシル)を検討した結果、この化合物ではメキシレチンのような脂溶性が高い薬物に対する認識能が増大するとともに、プロトンからの妨害も受けにくくなることがわかった。この化合物は、これまで開発されたメキシレチン電極のなかでもっとも高い検出感度を示した。この電極を用いて、治療濃度域に相当する唾液中のメキシレチン濃度を定量することができた。 さらに、本研究では、人工膜リポソームの透過性変化の測定に電極法と蛍光法を同時に応用することを試みた。すなわち、イオン電極で定量できるK^+と蛍光法で定量できるカルセインを同時にリポソーム内水相に封入し、これらサイズの異なる二種類のマーカーの流出挙動の違いから非ステロイド系抗炎症薬を含む様々な薬物の膜透過性増大作用を検討した。その結果、K^+とカルセインの流出速度の違いから薬物が膜に開けた穴のサイズを予測することができた。また、ポルフィリンを細菌共存下で光照射すると、細菌膜のK^+透過性と膜電位が変化することを見出し、現在、詳細な構造活性相関を検討している。
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Research Products
(2 results)