2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590036
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Research Institution | Nihon Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
吉村 吉博 日本薬科大学, 薬学部, 教授 (00147894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 裕之 星薬科大学, 薬学部, 教授 (50150173)
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Keywords | 生活習慣病 / 診断法 / アラントイン / 親水性相互作用クロマトグラフィー / 質量分析 |
Research Abstract |
尿酸からさらにウリカーゼで代謝されるアラントインは、哺乳類におけるプリン体最終代謝産物であるが、霊長類はこの酵素を有さないため、通常生体内では生成されない。しかし、生体内で酸化的ストレスにより引き起こされるフリーラジカルが作用することでアラントインが生成され、生活習慣病の診断法のひとつになると考えられる。アラントインは高極性物質であるため、その分析は通常の逆相クロマトグラフィー(RPC)を用いたHPLCによる分離分析では極めて困難であった。そこで親水性相互作用クロマトグラフィー/質量分析法(HILIC/MS)を用いたアラントインの分離分析法及び生体試料を対象とした前処理方法を構築し、実際に生体試料分析に適用した。その結果、アセトニトリル:水=90:10(v/v)が移動相の組成として最適と判断した。HPLC/UVと比較して選択性が向上し、高感度に測定することができた。血清におけるアラントインの検出限界は、0.03μM(S/N=3)、定量限界は0.10μM(S/N=10)であった。本法はHILIC/MS法を用いることで、アランとインを他の共存物質と分離でき、かつ高感度かつ選択的に検出することができた。本法を健常人6名に適用し、生体試料中アラントインの分析を行った結果、全ての検体からアラントインが検出され、アラントイン濃度は尿(15.3〜163μM)、唾液(1.46〜16.7μM)、血清(1.18〜3.05μM)の順に高いことがわかった。すでに報告されているヒト尿中アラントイン濃度と比較して、ほぼ同程度であった。
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Research Products
(1 results)