2004 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチド性医薬品の特殊放出制御を可能とするミクロ・ナノゲル粒子の構造設計
Project/Area Number |
16590038
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
市川 秀喜 神戸学院大学, 薬学部, 講師 (00248105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福森 義信 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (60102927)
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Keywords | マイクロカプセル / 放出制御 / ペプチド / 高分子ハイドロゲル / コーティング / キトサン / ナノパーティクル / 刺激応答性高分子 |
Research Abstract |
ペプチド性医薬品の効率的な生体内送達を実現すべく,申請者らが独自に開発した気中懸濁被覆法によるマイクロカプセル(MC)化技術・ハイドロゲルのナノサイズ化技術により,以下の素材および製剤化検討を実施した。 1.長時間遅延放出型MC: 試作したインスリンとプロテアーゼ阻害剤カモスタット含有MCについて,in vitro放出とin vivo吸収性の検討を実施した。インスリン放出のラグタイムが3及び6時間の2タイプのMCを調製し,共内包するカモスタットの放出はインスリンのそれに同期可能であった。これらを胃内pH・消化管運動調節処理したビーグル犬へ経口投与した結果,ラグタイムが6時間のMCにおいてのみ有意な血糖降下作用が認められ,インスリンの大腸での吸収が示唆された。薬理学的利用能(PA)はインスリンのみ含有するMCに比べて約19倍(PA=3.1%)の増大が認められた。 2.刺激応答性放出制御型MC: システムの生分解性化を意図して,新たに水系中和析出法による非架橋型キトサンナノ粒子(CNP)水分散液の調製を試み,平均径約300nmのナノ粒子を80%以上の高収率で得る調製法を確立した。このCNP水分散液は牛血清アルブミン(BSA)を含む炭酸カルシウム核粒子へのスプレーコーティングにより凝集を誘引することなく平滑緻密な被膜を形成し,BSAの長期放出制御(6.5日後の放出率が約30%)を可能とすることが分かった。 3.体温・pH感知型放出制御MC: 従前の研究ですでに開発した温度応答性コア-pH応答性シェル構造を持っナノゲル(CSNP)の粒子構造を改変した交互貫通網目構造型ナノゲル粒子(IPN-NP)の調製を試みた。INP-NPの膨潤収縮の温度・pH応答性はCSNPのそれに匹敵するレベルであったが,インスリンの封入率や放出速度のpH依存性に明確な改善効果は認められず,処方・調製条件の更なる改良を要した。
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Research Products
(2 results)