2004 Fiscal Year Annual Research Report
ポリアミン輸送系並びにNMDA受容体の構造活性相関に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
16590042
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
柏木 敬子 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (80169424)
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Keywords | ポリアミン / 輸送 / リン酸化 / endocytosis / exocytosis / NMDA受容体 / チャネルブロッカー / AQポリアミン |
Research Abstract |
1.酵母のポリアミン輸送系について解析した。1)ポリアミン輸送タンパク質TPO1が細胞膜に存在し、ポリアミンを排出すること、及び、細胞質側に存在する3個のSer/Thr残基のリン酸化により、輸送活性や細胞膜への移行が調節されていること、また、これらのアミノ酸残基はprotein kinase C, casein kinase 1及びcAMP-dependent protein kinase 1&2によりリン酸化されることを明らかにした。2)アミノ酸輸送タンパク質Gaplpが細胞膜に存在し、プトレスシンとスペルミジンを細胞内に取り込むことを見出した。3)YKL174c遺伝子のコードするTPO5タンパク質がpost-Golgi小胞に存在し、ポリアミン排出活性を有すること、及び、この過程にはendocytosisとexocytosisが関わることを明らかにした。 2.神経可塑性に重要な役割を果たすグルタミン酸受容体の1種であるNMDA(N-methyl-D-aspartate)受容体の新しいチャネルブロッカーとして、アントラキノンスペルミジン(AQ34)誘導体を同定した。AQ34はAMPA/Kainate受容体活性を阻害せず、NMDA受容体の特異的チャネルブロッカーであった。このAQ34を用いてNMDA受容体の構造を検討したところ、NR1(Asn616)とNR2B(Asn616)がチャネルの最も狭い部位に位置すること、並びにAQ34のAQの部分がこの最も狭い部分と結合し、スペルミジンtailは細胞質側に位置することが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)