2004 Fiscal Year Annual Research Report
外的ストレスにおけるCHOP依存的な細胞死の分子基盤
Project/Area Number |
16590057
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
林 秀敏 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (80198853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野嵜 菊夫 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (20101313)
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Keywords | CHOP / TRB3 / 小胞体ストレス / アポトーシス / Akt / 神経変性疾患 / ATF4 |
Research Abstract |
小胞体ストレスは遺伝子変異やタンパク質の修飾異常等により、小胞体内に異常タンパク質が蓄積することによりおこる。小胞体ストレスにより誘導される細胞のアポトーシスは神経変性疾患や糖尿病の原因となっていることが近年明らかになっている。申請者らは小胞体ストレス時に発現誘導され、アポトーシスの関与が知られている転写因子CHOPの機能解析を進めており、その渦程で、ショウジョウバエにおけるキナーゼ様分子TribblesのヒトでのホモログTRB3が小胞体ストレスにより発現誘導され、CHOPの転写活性を抑制することを見出した。今回、このTRB3の発現誘導機構や機能解析を詳細に解析し、また、TRB3発現による小胞体ストレスによる細胞死への影響も検討した。 TRB3プロモーターを含んだレポーター遺伝子を作製し、小胞体ストレス応答領域を決定した。この領域には、CHOP binding siteとATF/CRE siteが重複した部位が存在し、CHOPやATF4の過剰発現によりTRB3プロモーター活性は増強し、CHOPとATF4の共発現させたところ、CHOPとATF4はTRB3プロモーターの活性を相乗的に増加させた。RNAiにより、CHOPやATF4をノックダウンさせると、いずれも小胞体ストレスによるTRB3の発現誘導は抑制された。また、TRB3はCHOPのみでなく、ATF4の活性をも抑制した。さらに、TRB3の過剰発現は小胞体ストレスによる細胞死を増強させ、逆にTRB3のノックダウンは細胞死を減少させた。 以上のことから、TRB3は小胞体ストレス時にATF4やCHOPの発現を介して発現誘導され、これらの転写活性を抑制することにより、ネガティブ・フィードバック的に自身の発現を制御していることが明らかとなった。また、TRB3はおそらくこの機構とは異なった機序によりアポトーシスを誘導することが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)