2004 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪細胞特異的に生物時計の機能をかく乱したトランスジェニックマウスの作製と解析
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16590069
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
榛葉 繁紀 日本大学, 薬学部, 講師 (20287668)
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Keywords | 体内時計 / 脂肪細胞 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
脂肪細胞の機能発現には摂食条件、栄養条件などの環境因子さらには生体内リズムが引き金になっていると考えられる。そこで脂肪細胞分化ならびに脂肪細胞機能の制御に関与する転写因子をbHLH/PASファミリーを中心に検索したところ体内時計の調節を司る転写因子であるBrain-Muscle Arnt Like Factor 1 (BMAL1)の発現が脂肪細胞分化とともに増加することを見い出した。さらにヒト間葉系幹細胞を脂肪、軟骨および骨へと分化させたところ、脂肪細胞への分化時のみBMAL1の発現上昇が観察された。さらには昨年度までの検討においてBMAL1が脂肪細胞における脂質代謝の制御に関わることを明らかにした。そこで平成16年度においてはBMAL1(480)を脂肪細胞特異的に発現するトランスジェニックマウスの作製を試みた。本実験において用いるBMAL1(480)タンパク質の細胞内における発現を確認するためにマウスBMAL1(480)cDNAのC末端側にFLAG配列を導入した。次いでBMAL1(480)cDNA、FLAG配列ならびに3′ポリアデニレーションシグナルを含むDNAをマウスaP2プロモーター/エンハンサー領域を含むプラスミド(aP2-Pro ; Dr. Speigelman, Harvard U.より分与済)中のSmaI部位(aP2プロモーター/エンハンサー部位の下流に存在)にサブクローニングした。得られたコンストラクトについて塩基配列を解析し、挿入方向が確認した後、aP2プロモーター/エンハンサー、BMAL1(480)、FLAG配列ならびにポリアデニレーションシグナルを含む断片をNotIおよびClaIにより切り出し、アガロースゲル電気泳動により精製した。精製・抽出したDNA断片を以下に述べる方法でC57BL/6Jマウス受精卵(約300個)へとインジェクションした。
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