2005 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管細胞が合成するプロテオグリカン分子種のグリコサミノグリカン糖鎖形成の調節
Project/Area Number |
16590070
|
Research Institution | Hokuriku University |
Principal Investigator |
鍜冶 利幸 北陸大学, 薬学部, 教授 (90204388)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 千夏 北陸大学, 薬学部, 助教授 (70230571)
藤原 泰之 北陸大学, 薬学部, 講師 (40247482)
|
Keywords | 血管 / 内皮細胞 / 周皮細胞 / プロテオグリカン / グリコサミノグリカン / ヘパラン硫酸 / コンドロイチン硫酸 / デルマタン硫酸 |
Research Abstract |
本研究は,脳微小血管内皮細胞および周皮細胞におけるグリコサミノグリカン糖鎖の形成調節を明らかにしようとするものであるが,まずその前提となるプロテオグリカン分子種の発現が解析された。その結果,プロテオグリカンの主要分子種は,内皮細胞ではヘパラン硫酸プロテオグリカンの大型分子種パールカンおよびデルマタン硫酸プロテオグリカンの小型分子種ビグリカンであるのに対し,周皮細胞ではヘパラン硫酸プロテオグリカンの小型分子種シンデカン-1,デルマタン硫酸糖鎖プロテオグリカンの小型分子種ビグリカンおよびデコリンを高く発現していることが明らかにできた。さらに,ヘパラン硫酸糖鎖の微細構造を解析し,内皮細胞よりも周皮細胞においてN-硫酸化が高度であることも分かった。 この結果をもとに,微小血管内皮細胞の機能調節因子である血管内皮増殖因子(VEGF165)によるヒト脳微小血管内皮細胞プロテオグリカン合成の調節について検討を行った。その結果,VEGF165が,VEGFR-2の活性化を通じてパールカンの合成を誘導することが明らかになった。しかしながら,パールカンのヘパラン硫酸糖鎖の伸長や二糖組成はVEGF165の影響を受けなかった。 そこで,種々の血管細胞を用いてサイトカイン/細胞増殖因子によるグリコサミノグリカン糖鎖形成の調節を調べたところ,塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF-2)に暴露した大動脈平滑筋細胞が合成したビグリカンにおいて,イズロン酸が減少し,その分グルクロン酸が増加していることを見いだした。 以上の結果は,特定のサイトカイン/細胞増殖因子に特定の血管細胞が曝露したときに特定のプロテオグリカン分子種のグリコサミノグリカン糖鎖形成が調節されることを示唆している。
|
Research Products
(6 results)