2005 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化酵素MNB/DYRK1Aの過剰発現とダウン症
Project/Area Number |
16590072
|
Research Institution | SETSUNAN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
伊藤 文昭 摂南大学, 薬学部, 教授 (80111764)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 純 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80178003)
船越 英資 摂南大学, 薬学部, 助手 (70299030)
|
Keywords | ダウン症 / ヒト21番染色体 / リン酸化酵素 / DYRK1A / MNB / 細胞周期 / M期チェックポイント |
Research Abstract |
ヒト21番染色体のダウン症関連領域からクローニングされたMNB/DYRK1A遺伝子はリン酸化酵素をコードしているが、その細胞内の機能についての詳細は明らかでない。私達は昨年度、細胞周期進行におけるリン酸化酵素MNB/DYRK1Aの果たす役割を調べる目的で、HeLa細胞を用いて細胞周期の各時期におけるMNB/DYRK1Aタンパク質のリン酸化について解析した。その結果、チュブリンタンパクの重合を阻害するノコダゾールでHeLa細胞を処理すると、MNB/DYRK1AはM期に特異的にリン酸化されることが明らかになった。そこで、このリン酸化の生理的意義を明らかにする目的でMNB/DYRK1Aのリン酸化部位の同定を試みた。MNB/DYRK1Aのリン酸化活性にはactivation loop内のチロシン(Tyr321)のリン酸化が必須とされている。また、219番目のチロシンをフェニルアラニンに置換するとリン酸化活性が減少するという報告がある。そこで、MNB/DYRK1AのORFをpBluescript II SK(+)に導入後、invitrogenのGeneTailor^<TM>Site-Directed Mutagenesis System kitを用いて、219番目と321番のTyrをPheに変えた点突然変異体(Tyr219PheおよびTyr321Phe)を作製した。また、MNB/DYRK1A蛋白質のC末端側には、セリン・スレオニンが多く存在する領域があり、この領域のいずれかのアミノ酸残基がリン酸化される可能性も考えられるので、この領域を欠失させた変異体を作製した。また、C末端をさらに削りキナーゼドメインも持たない変異体を作製した。さらに、これら点突然変異型、C末端欠失変異型のMNB/DYRK1A DNAをpBluescript II SK(+)から切り出し後pcDNA3.1に組み込み、リポフェクトアミンを用いてトランスフェクションを行うことにより、HeLa細胞で発現できることが分かった。
|