2005 Fiscal Year Annual Research Report
プロドラッグの代謝活性化に関与するヒトエステラーゼ遺伝子の転写調節機構の個人差
Project/Area Number |
16590081
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Research Institution | Chiba Institute of Science |
Principal Investigator |
細川 正清 千葉科学大学, 薬学部, 教授 (70181500)
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Keywords | カルボキシルエステラーゼ / 個人差 / 発現調節機構 / ヒト肝 / C / EBP / Sp1 / プロモーター |
Research Abstract |
エステラーゼ(CES)は、活性中心にセリン残基を有するセリン水解酵素の一種で、エステルやアミド結合を有する化合物を効率良く加水分解することから、近年バイオアベイラビリティーの改善や副作用の軽減を目的として開発されてきたプロドラッグの代謝活性化において、極めて重要な役割を果たしている。昨年度は、ヒト肝に主として発現しているCES1ファミリーには2つの遺伝子が存在していることを明らかにした。また、これら2種の遺伝子CES HU1a(AB119997)およびCES HU1b(AB119998)の基本転写領域にに存在するSp1およびC/EBP結合領域が重要な役割を果たしていることを示唆してきた。さらに、ヒト肝を用いた検討からそれぞれのmRNA発現量に大きな個人差があることを見出し、全ての検体においてCESHU1aの発現量がCESHU1bの発現量よりも多いことも明らかとした。今年度は、これらの2つの遺伝子の存在意義と発達段階における発現量の違いについて検討した。その結果、CES HU1bは成人肝では発現しているが胎児肝では、ほとんど発現が認められないことが明らかとなり、発達段階において両遺伝子の発現調節が異なることが示唆された。さらに、2つの遺伝子の配列の違いから、シグナルペプチドに着目して検討したところ、2つの遺伝子の翻訳産物は細胞内局在性が異なることが明らかとなり、薬物代謝における役割が異なる可能性が示された。一方、ヒト小腸に発現しているCES2ファミリーに関しても、ゲノムクローニングを行い発現調節機構を調べたところ、CES2アイソザイムのプロモーターは、翻訳開始点に近い部位と、1Kbp以上上流の少なくとも2カ所存在することが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)