2005 Fiscal Year Annual Research Report
フォストリエシンをリードとするプロテインホスファターゼ阻害剤の開発
Project/Area Number |
16590083
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮下 和之 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (10166168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今西 武 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (40028866)
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Keywords | フォストリエシン / リウストロダクシン / プロテインホスファターゼ / 全合成 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
申請者等が、独自に開発したフォストリエシンの収束型合成経路による全合成と、環状リン酸エステル経由によるリン酸エステル導入方法(K.Miyashita et al., Chem.Commun.2002,742-743;J.Am.Chem.Soc.2003,125,8238-8243.)を利活用し、フォストリエシンと同様、プロテインホスファターゼ(PP)IIAに対する選択的阻害作用を示すフォストリエシン類縁天然物、リウストロダクシンの全合成を目指し、検討を行った。その結果リウストロダクシン基本骨格の構築に成功した。フォストリエシンとリウストロダクシンの構造上の特徴的な相違点は、フォストリエシンの8位メチル基に代わってリウストロダクシンではアミノエチル基を有している点にある。そこでアミノエチル基の酵素阻害活性に対する効果を調べるために、フォストリエシンの不飽和ラクトン構造とリウストロダクシンのアミノエチル基とその周辺構造を合わせ持つハイブリッド型類縁体の合成についても検討し、これに成功した。 これまでに合成したフォストリエシンのトリエン構造を除いた類縁体、トリエン構造を飽和炭素鎖に置換した類縁体、今回合成したハイブリッド型類縁体等を用いて、第一選択肢としてWaldmann等の方法を参考にPPIおよびIIA阻害活性を評価した結果、今後基質を代えてさらなる詳細な評価、検討は必要なものの、1)リン酸エステル構造は、PPI、PPIIA阻害活性発現に必須である。2)アミノエチル構造はPPI、PPIIA阻害活性発現には必須ではない。3)トリエン構造はPPI、PPIIA阻害活性発現には必須ではないものの、PPIIA選択的阻害を示す上では、重要であること等、構造と活性の相関が明らかになった。
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