2004 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌攪乱物質による精巣機能障害発現時に変動する遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
16590091
|
Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
田渕 圭章 富山医科薬科大学, 生命科学実験センター, 助教授 (20322109)
|
Keywords | 精巣セルトリ細胞 / 温度感受性SV40大型T抗原遺伝子 / 内分泌攪乱物質 / DNAマイクロアレイ / HSP70 / DJ-1 |
Research Abstract |
これまでに我々は,温度感受性SV40大型T抗原遺伝子導入トランスジェニックマウスから樹立した精巣セルトリ細胞とcDNAマイクロアレイを用いた研究から,内分泌攪乱物質ビスフェノールAによって誘導される遺伝子を数多く明らかにした.本研究では,セルトリ細胞と気道上皮細胞において,内分泌攪乱物質との関連性が予測される,HSP70,クルステリンとDJ-1の細胞機能に対する作用を検討した. 気道上皮細胞にヒトHSP70を高発現させた時,通常の細胞機能には影響を与えなかったが,ヒートショックによる大型T抗原タンパク質の変性・分解・機能低下を有意に抑制することが明らかとなった.また,HSP70の補助因子として機能するHSP40は,このHSP70による機能回復を有意に亢進させることが判った. セルトリ細胞にDJ-1やDJ-1の変異体を安定高発現する細胞株の樹立に成功した.野生型のDJ-1の高発現は細胞の機能に影響を及ぼさなかったが,変異体の高発現は細胞増殖を有意に低下させた.DJ-1が細胞の増殖に何らかの影響を与えていることが示唆された. 温度感受性SV40大型T抗原遺伝子を用いて,精巣上体頭部上皮細胞株MEPC5の樹立に成功した.透過電子顕微鏡を用いた形態学的評価により,MEPC5細胞は正常組織由来の初代培養細胞と差異が見られないことが明らかとなった,また,本細胞はME1やアンドロゲン受容体等精巣上体頭部のマーカータンパク質を発現しており,精巣上体頭部の生理機能,遺伝子発現,内分泌攪乱物質の作用機構を調べるための有用な細胞モデルになると考えられた.
|
Research Products
(3 results)